今話題の仮想通貨の社会を描いたSF作品です。2015年に世に出た作品ですが、まさに今の2018年が舞台になっています。公平の名の元に引き上げられた税金は日本を階級社会に分断してしまいます。正社員になれてまっとうな人生を生きる階級の人間・反対に税務当局に捕捉されない仮想通貨での地下経済圏に頼って生きる「フリービー」というフリーランスの人間達や海外からの移民達。
主人公の木谷巧はフリーのWEBデザイナーを生業とする「フリービー」。同じくフリービーの仕事仲間の鎌田大樹はフリーのデザイナーを生業としていて写真が得意。物語はアパレルショップのWEBデザイン等の仕事でWEBエンジニアの森谷恵と出会った事から物語が展開していきます。3年前に読んだ時は、まだ仮想通貨というものが今ほどメディアに取り上げられていませんでした。
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当時から仮想通貨に興味があったので、いろいろ仮想通貨に関する指南書などを購入して読んではいましたが、実際にどのように利用すれば良いのかなど具体的なイメージが湧きませんでした。しかしこの本を読んで、小説ではありますが自分にとっては仮想通貨の未来のあるべき姿を楽しみながら教えてもらった小説でした。もちろん話しの内容は一部「フリービー」たちの税逃れの為に仮想通貨が使われてしまいますが、自分が共感したのはそういう部分ではありません。
この小説の中では貧富の差がとてもはっきり描かれています。しかしフリービーの日本人であろうと・海外からの移民であろうと家族がいて、その日を生き抜かなければいけません。そこで描かれる仮想通貨はフリービーたちがこの世を渡っていくために必要不可欠な共通の言語の様に描かれています。現実の世界でも貧富の差は広がる一方です。そして現実の世界の仮想通貨は小説の中で描かれるような通貨ではなく、ただの投機対象でしかありません。
しかし、現実の世界での仮想通貨バブルが崩壊した後に本当に仮想通貨が必要とされる日が来るのだろうと思っています。そしてその時はこの小説の中の様に仮想通貨を必要とする人たちのために役立つ通貨になっていてほしいと思える1冊でした。
(40代男性)
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