読書感想文「アンと青春(坂木司)」

前作の「和菓子のアン」でアンちゃんが大好きになってしまい、続編である「アンと青春」も読む前からすでに楽しい気分であった。またアンちゃんに会えるだけでうれしいのだ。コロコロな体型で特別に美人さんでもないが、愛きょうたっぷりの性格が周りの人たちから好かれているようだ。私から見ると、それ以外にもとても素直なところがアンちゃんの長所だと思う。
 
そして、今回はただのほんわかアンちゃんから、かなりの成長が見られたように思った。販売員という職業や和菓子に対する知識を身につけることにまで、深く考えるようになったのである。まあ、年齢的にもいろいろと将来のことで悩むのは誰もが通る道でもあるので、ここはあたたかい目で見守ろうと読みながら思った。
 
そうなのだ、アンちゃんは読む人からも温かい気持ちでかわいがってもらえる存在なのである。ちょっとだけのんきな雰囲気を醸し出しているのだが、結構お客さんとのやりとりが上手であるし、しっかりとしたところもあるので、店頭に立っているアンちゃんは安心して見ていられる。
 
いつも店長や同僚に意外と気を使っていたりするので、登場人物からも好かれているけれど、読み手にもまた好感度が高いのである。これは、作者の坂木さんがこんな感じで気くばりする方だからなのかなと想像するのも楽しい。また、アンちゃんのお母さんも明るい食いしん坊なキャラクターで、ほっこりした気持ちにさせてくれる人である。
 
このお母さんがいる家庭で育ったから、私が大好きなアンちゃんが形成されたのかなとも思う。こんなほっこり感満載の本であるが、お姑さんがお嫁さんに和菓子で「早く孫を作って欲しい」と催促しているかもしれないというお話は怖くなってしまった。それも流産をしたあとにそうことをしているのかもしれないと考えると、より一層怖くなる。
 
この嫌味なメッセージを気にしないか気づかないお嫁さんであって欲しいと願った。さまざまなお客さんやスタッフとの交流を通して大人になっていくアンちゃんをこれからも応援していきたい。
 
 
(40代女性)
 
 
アンと青春 (光文社文庫)

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