読書感想文「青空の卵(坂木司)」

私がこの作品に出会ったきっかけというのはとてもありきたりなものですが、姉がドラマのほうを観ていたのがきっかけだ。私は原作と話が違うことの多いドラマが嫌いなのであまりドラマを見ないほうなのですがこの物語だけは人間のいいところや悪いところを全て晒していると思ったのでとても好きだ。

 

なので原作の本を学校の図書室で見つけたときは本当に鼓動が高まる感覚があったのである。読み始めて思ったのが登場人物の人物像やその人物を取り巻く周囲との人間関係がはっきりとわかるように描かれておりとても想像しやすい物語だ。

 

物語のジャンル自体はミステリー小説に当てはまるのだろうが「ひきこもり探偵シリーズ」というありそうでないジャンルが確定されているのも面白い点である。この作品の中心になる人物は2人いるのだがごく平凡な社会人坂木とその親友であるひきこもりの青年鳥井の話だ。

 

 

二人の関係というのは親友よりももっと深く儚く脆い言葉では言い表すことのできない特別な関係である。よく感想で見かける同性愛者的関係というよりは共依存に関係のほうが近いかもしれないがその点も含め面白い作品である。

 

物語の内容を簡潔に書いていくと坂木と鳥井の日常の中で出会う人やちょっとした疑問や不可解な事件を鳥井が解決していくという物語だ。といっても問題を持ってくるのは大体坂木でありそれをしぶしぶ解決していくのが鳥井なのですが二人の会話や基本的主導権をどっちが持っているのかが描かれているのでとても微笑ましいものだ。

 

話の後半部分では鳥井と坂木の過去が描かれているのでどういったいきさつで二人がこのような関係になったのかもわかるシーンがあるのでお勧めだ。自分に関係することでないとあまり気にすることのないような些細な事ひとつひとつでこんなにも面白い物語が書けるのだと思わされるものだ。

 

また、登場人物の背景にある事情や隠し事や目的など人の脆くて愛おしく思えるような部分がよく描かれており素晴らしい作品だ。ミステリーものが好きな方にもお勧めできる作品である。

 

(10代女性)

 

 

[amazonjs asin=”4488457010″ locale=”JP” title=”青空の卵 (創元推理文庫)”]

 

ブログをメールで購読

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。

 

 

コメントを残す

シェアする