読書感想文「オートフィクション(金原ひとみ)」

家族で古本屋に立ち寄った際に目にしたこの本を購入したきっかけは、この作者の「蛇にピアス」を読んだことがあったためであった。以前図書館で借りたこの「蛇にピアス」が衝撃的で、映画まで観てしまった。今回読んだこの「オートフィクション」も私の期待を裏切らず、かなり衝撃的な内容で、飽きずに一気に読み終えた。
 
あまり小説を読まない私にも読みやすく、表現が分かりやすかった。一人の女性作家の自伝的小説という設定で、4つの過去の季節という構成になっており、一番現在に近い”22nd winter”から過去にさかのぼる形になっている。
 

 
 
若くして小説家になった作者、蛇にピアスに共通する10代の危ない感じなど、作者の自伝かと思わせる箇所がある。実際こんな女がいるのかと思った。私のようにのほほんと生きている人間には到底理解しがたい思考で、常に男の発する一言に一喜一憂している。4つの季節のなかでそれぞれ別の男との暮らしが描かれているが、そのどの男も似たようなものだと思った。
 
それぞれ夢中になっているものがあり、彼女よりもそれを優先しがちだ。仕事だったり、音楽だったり、ギャンブルだったり。彼女はそれが我慢できずに怒りを色んな形で直接ぶつけている。彼の大事にしている物を壊したり、他の男とヤッたり・・・。とにかくめんどくさい女だと感じた。
 
女の私から見てもめんどくさい。本当に愛していることを伝える手段が間違っているけど、破滅的な恋愛に少し憧れる節もある。この作品を読んでいると、「てめえ」だとか、「この野郎」だとか、もっともっと卑猥な言葉がたくさん出てきて憂鬱になる。自分まで影響されそうになるので読むのは1回きりにしようと思った。
 
10代の破滅的な、とても孤独な危うさ、カラオケやクラブやパーティーなどを繰り返し、学校も辞めた女子の放浪生活が現実感たっぷりに描かれていて、とても刺激的な作品だった。とにかくこんな風にはなりたくない。と思ってしまった。
 
(30代女性)
 
 
 
 

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