読書感想文「オールド・テロリスト(村上龍)」

私は今も北関東在住なので、『3.11東日本大震災』を実際経験している。それまでは、作者のいうように原子力発電所の安全神話を疑うとなんてなかった。

 

というよりも原子力発電所で事故が起こることさえ考えた事など無かった。ところが、この小説では2018年というかなり近い未来に”NHK西玄関にて大量殺人事件”を皮切りに、関係性の見えない若者たちが次々に思いつかないような事件を起こして、社会に警告を出す。

 

その若者たちを操っていたのは、なんと戦争を実際にた体験してきた老人たちだなんて、いくらタイトルに”老人”を予想させていても正直驚きだった。しかも、最終目的は当時のドイツ軍が所有していた『88ミリ対戦車砲』で原子力発電所の原子炉を撃ち、放射能を撒き日本再生をするなんてありえないことだと思ってしまった。

 

日本内閣府までも巻き込んでこの話しは進んでいくが、私には作者村上龍の問題定義についていくには、知識も経験も足りないようでいまいち現実味を感じなかった。それでも『3.11東日本大震災』の経験から、放射線の怖さは理解できるので、極端な話しではあるがとんでもない小説に出会ってしまったと思う。

 

 

 

このスケールの大きい話しの中で、主人公関口のジャーナリスト魂に火が付き、真相を明らかにしていく上で彼を支えたり、ヒントを与え導いていく周りの人物たちがとても魅力的に感じた。やはりどんなに落ち込んでいても人は一人では生きてはいけないのだと、強く感じた。

 

どうしたらいいのかわからず一人で抱え込み、精神安定剤を服用してはパニック状態から逃避して自分を保っていた関口。その彼を様々な人々の助けを受けて真実にたどり着く姿に、痛々しい中に人を信じる強さを見た気がした。私にはまだこの作品の本当のメッセージをしっかり理解できてはいないと思う。

 

だが、自分の持つ知恵や人脈・資金など総力を使ってまでネットワークを築き、目標を成し遂げようをする行動力を見習いたいと思う。現実問題として、私にはそこまでしても成し遂げたいと思う目標は、残念ながらまだ無い。

 

(40代女性)

 

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