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読書感想文「コインロッカー・ベイビーズ(村上龍)」

「コインロッカー・ベイビーズ」の読書感想文①

この作品を読んだのは、わたしが高校生の時だ。姉が学校の図書室から借りたのを読まさせてもらったのだ。当時のわたしには内容がさっぱりつかめず、何も頭に入らないまま、ただ「読んだだけ」だった。それから社会人になり、電車で通勤中に読む本を買いに本屋に入り、文庫本化していたこの本を見つけ、なんとなく手に取り、購入した。
 
それから読み始めてみると、なんと個性的な、全体的に全くきれいな感じのしない、ドロドロの人間関係、主人公たちの数奇な運命。主人公は二人いる。躍動的な群れを嫌うキクと、繊細でつかみどころのないハシという少年たち。二人はコインロッカーで生まれ、養護施設で幼少期を過ごし、小学生になる前に離島で生活する養父母に引き取られ、生活していた。成長した少年たちの歯車は途中で狂いだした。
 
ハシが東京に行くといい、置き手紙を残して居なくなってしまった。キクと養母は東京にハシを探しに行くが、手がかりもないので見つからなかった。養母の死後、離島に養父をおいて、一人ハシと「あるもの」をている探しキク。そこでモデルの美少女、アネモネと知り合い、一緒に暮らすようになる。ハシのほうも東京でバイトをしつつ、音楽プロデューサーと知り合い、気に入られて歌手になり、マネージャーで年上の女性、二ヴァと結婚をする。
 
ここまでは割と幸せだったと思う。ここから、どんどん歯車が狂ってきている。二人の人生はお互いが意図としていない方向に突き進んでいっている。もちろん、アネモネ、二ヴァも巻き込んでいく。暗くなりながらも、最後のシーンは道が開けた感じがして割と爽快だった。
 
作中で個人的に印象にあるシーンだったのは「オムライス」が出てくる場面。この物語を読んでいると、なんだか無性にオムライスが食べたくなってしまう。ほかにも食べ物の描写があるのだが、そちらも興味がそそられるので、お腹が空いてるときに読むのはちょっとつらかった気がする。
 
(40代女性)

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