「野生の風 WILD WIND」の読書感想文
かなり古い村上由佳の小説です。当初からこの小説は話題になっていて、いつかよんでみたいなと思っていました。しかし、なかなか読む機会がなかったのです。それはなぜかというといかに理由があります。
小説を読むときって、私は腰を据えて読みたいのですが、この小説は壮大がゆえに追いついていくのが大変なのではないかと感じていました。そのため、自分に余裕がある時しか読めないなと感じていたのです。確かに小説を読んでみて思いました。
読んでいる最中は、息もつけないくらい。そして読み終わった時に大きなため息がでました。読んでいる間は、自分が大きな息をすることを忘れていたほどだと感じましたね。歴史的な事、地理的な事、男女のことなどすべてのスケールが大きくて、その状況を一つ一つ把握しながら読むすすめていくことは簡単ではありません。
ただ読むうえでやはり歴史的なことと地理的なことは知っておいた方がいいなと感じましたね。その方が、物語の情景が自分自身に入ってくるからです。恋愛小説って、とにかくハッピー感があるものも多いですよね。それを期待して読むと、ちょっと苦しいかもしれません。
その小説には、決してハッピーな事ばかりではないからです。恋愛につきものである、切なさ、そしてもどかしさ、そして誰にも想像すらできないことにびっくりさせられるからです。でもこの小説は苦しいばかりではありません。またドロドロした感じも全くありません。
それは村上由佳の静かに淡々と、しかし実際に情熱的に物事が描かれているものだからといえます。作者の静かで情景を思い浮かべることが出来る表現に、私たちはさまざまな感情、そして感想を持つのではないでしょうか。読み終わった後は、切なく、でも静かに湧き出すなんとも言えない感情にとらわれました。
(40代女性)
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