読書感想文「運命の人(山崎豊子)」

沖縄の基地問題、憲法改正の議論はテレビや新聞、インターネット等を通じて見聞きすることがあると思う。沖縄の基地問題について、何故いつももめるのだろうかと深く考えることがない人は多いのではないだろうか。憲法改正の議論も同じではないだろうか。

 

山崎豊子さんの『運命の人』を読んで、沖縄の基地問題を他人事に考えていた自分が恥ずかしいと思った。話は、沖縄戦のアメリカからの賠償に関して、国が国民に知られたくなかった極秘文書を、主人公の新聞記者が外務省の事務官であり、その時愛人関係にあった女性から入手する。

 

その情報を巡り、主人公は新聞記者を辞めることになるが、その後、沖縄での戦争のことを調査していくのである。そこで描かれた沖縄戦は、本土での戦争時代の出来事とは全く異なるものである。本土での戦争は、主にアメリカ軍による空襲である。

 

 

 

それでも、とても悲惨な記憶として語り継がれ、私たちも映画やドラマ、小説でみてきた。しかし、沖縄戦はアメリカ人が上陸してきて、激しい戦闘が繰り広げられるのである。第二次世界大戦でアメリカ軍が上陸戦を展開したのは沖縄のみであり、その恐怖と戦ったのは沖縄だけである。

 

そして、戦争が終わった後も悲劇が繰り広げられる。本土では、戦争が終わると同時にアメリカ人は敵ではなく、どちらかと言えば自由を与えてくれた存在として語られる。沖縄は違う。沖縄に基地が作られ、沖縄の住民の土地を取り上げ、そこにアメリカ人が住み着く。

 

迫害され、少女が襲われるという事件が起きるのである。何故、沖縄がいつまでも苦しまなければならないのだろうか。沖縄に基地を置く代わりに、手厚い補助金を与えれば良いという問題なのか。この小説を読んだら、沖縄での戦争のことを知ることが出来るし、日本人としてもっと知らなければならないと感じた。

 

今、安倍晋三総理は憲法改正の議論を起こそうとしているが、沖縄問題を無視して議論できるものではないと思う。数年で、憲法改正の国民投票が行われるかもしれない。何となくで投票してはならない。小説として、ストーリーに飲み込まれるだけでなく、最後は日本の戦争について考えさせられるものであった。

 

(40代男性)

 

 

 

 

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