読書感想文「払い戻した恋人(赤川次郎)」

大人気小説作家の赤川次郎さんの作品だ。物語の主人公はとてもケチでお金にしか興味のない24歳のOLである。どこにでもいるOLが誰とも変わらない日常生活をおくっていたのだが映画のロマンスシート券を譲り受けたことで物語が動き出すのだ。運命のいたずらなのか、たまたま映画館にいた男性を誘い、映画を観るのだが次の日のその男性が殺人事件の犯人として指名手配されてしまう。その男性から自分の無実を証明してほしいと1千万円の報酬で依頼を受けてしまう主人公。

 

お金を目の前にするとどうにも断れない主人公はどうやって無実を証明するかも分からないまま依頼を引き受けてしまうのである。しかしここから次々と事件が発生していくのだ。まずは最初の殺人事件の鍵となる夫婦を見つけるのだがその夫婦も直前のところで殺されてしまう。事件と何らかの関係がありそうな会社の同僚も刺されてしまう。事件の解明につながりそうになれば事件が起き、なかなか真相にたどり着けない展開が続くのだ。

 

 

 

そんな主人公も事件の捜査をしていく中で一人ではとても操作できないのであるが、そこには刑事の手助けがある。見た目はぱっとしなく、頼りがいがなそうな刑事だが責任感が強く、とても優しい性格の持ち主だ。その刑事と一緒に事件の解決を進めていく中で今までお金にしか興味のなかった主人公の気持ちが少しずつ変わっていくのもこの物語の楽しいところである。これまで起きた事件を一つ一つ見直し行く中で共通点やおかしなところを探し、少しずつ犯人に近づいていくのだ。

 

いろいろな登場人物がいるので最後までどの人が犯人なのか分からない小説になっている。この本を読み進めていくうちに自分が予想していた犯人が次々と無実だと証明されていく中で本当の犯人を早く知りたい、自分でも推理して探し当てたいという気持ちが強くなってくるのだ。主人公と一緒に事件を解決しようとしている自分がいることに驚きながら、どんどんと物語に引き込まれていく小説である。

 

(30代男性)

 

 

 

払い戻した恋人 (集英社文庫)
赤川 次郎
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