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読書感想文「TUGUMI(つぐみ)(吉本ばなな)」

「TUGUMI(つぐみ)」の読書感想文

この本の最後は、私達読者に委ねている。そこも含めて話が何十にも広がっているのだ。私がこの本に触れたのは学生時代、先輩にお薦めされて読んだことから始まる。主人公は病弱ながら、気が強い「つぐみ」という少女なのだが、このつぐみから発せられる儚くも力強いパワー。
 
つぐみはほんの少し運動をするだけで熱を出してしまったりする、本当にか弱い少女なのだ。それでいて、ひょんなことがきっかけで一人の不良を陥れるために、「落とし穴」を夜な夜な掘り続ける作業をした。つぐみはその結果、入院までしなくてはならなくもなったのだ。
 
それほどまでに発せられるつぐみのパワーに私は感動を覚えたのである。学生時代私は何も見つけられず、ただなんとなく生きていたのだが、この「つぐみ」という本を読み、「つぐみ」という人物を知り、私の生活の不甲斐なさを思い知った。それと共に、今できることをひとつひとつしっかりと探し出して行動に移していかなくてはいけないと思ったのだ。 
 
「つぐみ」には、仲の良い親戚の「まりあ」という少女もいた。最後は、「つぐみ」が死を覚悟した時に書いた「まりあ」への手紙で終わる。この前には、つぐみが危篤を乗り越えてまりあへ電話をしているのだが、最後にこの手紙を持ってくるところが本当に素晴らしい。
 
それ故に私は、つぐみは本当に亡くなってしまったのではないか、と考えさせられるのだ。つぐみが不良を陥れたきっかけは簡単なもので、彼氏の飼い犬を殺されてしまったからだ。そして、その不良を陥れる為に自らの命を犠牲にしてでも落とし穴を作る作業を行い、不良を陥れたのだ。
 
そのつぐみの発せられるパワーは、力強く、そして本当に儚い。私は自分のことが恥ずかしくなった。こんなか弱い少女がこんなにも行動しているのに、私は何をしているんだろう、と。この本は今何も満足感を得られていない。自分の理由がわからない。そんな人に是非薦めたいと考えている。
 
私自身、この本を読んで未来像を見据えるようになり、変わった。つぐみという人物は偶像であるが、まるでそこに存在するかのような儚さがあった。私はつぐみの影を追い、これからも成長していきたい。
 
(20代男性)

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