「ふなふな船橋」の読書感想文
こんなにも人は、いろいろな物に支えられて生きていたのだと、改めて感じさせてくれる作品であった。自分の周りにいる人は勿論だか、所有物にも意味があるように感じられた。実は、私も子供の頃からお人形よりもぬいぐるみが好きであった。子供の頃は、大した事でなくてもあのふかふかした手触りや、あどけない表情のぬいぐるみに話しかけたり…。
ぎゅっと抱きしめるだけで癒されたり、元気をもらったりしていた。それが今では、ふなっしーのような「ゆるキャラ」達が元気いっぱいTVの中などで飛び回っている。その姿を見るだけで、夢や希望を与えてもらっているなんて、素晴らしい時代になったと思う。今までそのような事を考えてみた事も無かったから、不思議な作品に出会った気がする。
この作品に登場する人物は、皆心の何処かに傷を抱えていた。それなのに、人は辛い経験をした人程、他人に優しくできるのではないかと作品を通して強く感じた。そりゃ誰だって辛い思いはしたくはないが、自分も苦しんだ分主人公花の保護者である奈美おばさんのように、強くてさりげない優しさで周りを包み込んでいけるのかもしれない。
思わず花ちゃんには、”船橋で奈美おばさんと暮らせてよかったね”と泣きながらも言ってあげたくなった。さらに、この物語に出てくる人物は、皆揃ってちゃんと誰かを思いやることのできる優しくて穏やかな大人ばかりだ。ところが私の周りには、我を通そうとして相手を傷つけてしまうような言葉を発する人が度々いる。
その人の言葉をうまく交わすことが私にはできず、落ち込んでしまう事もある。だか、冒頭の『ふな ふな ふなっしー』の一節を見て、救われた思いがした。そのためなのか、親友の幸子の言葉で”だからこそ、今日1日がその人にとって最高に楽しくあるべきなんだよ”との一言が物凄く心に響いた。
簡単ではないが、私も幸子のようにくよくよ悩まずポジティブにさりげない優しさを持てるようになりたいと思う。何気ない日常生活の中で、様々な出来事が起こる。心無い一言に傷付いてしまう事もあるが、私にとってこの作品は元気に復活を遂げる為のきっかけとなる1冊になった。
(40代女性)
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