読書感想文「山古志村のマリと三匹の子犬(桑原真二)」
色々な素敵な本があり、様々な感情や思考を私に与えてくれる。感じ方は人それぞれだと思うが、私が特に印象に残っているのが「山古志村のマリと三匹の子犬 」である。有名な話ではあるが、何故有名なのか、それには必ず理由がある。それ...
色々な素敵な本があり、様々な感情や思考を私に与えてくれる。感じ方は人それぞれだと思うが、私が特に印象に残っているのが「山古志村のマリと三匹の子犬 」である。有名な話ではあるが、何故有名なのか、それには必ず理由がある。それ...
私はこの物語を職場の先輩(50代後半になる素敵な女性)から、『とても良い本なので読んでみて』と勧められて読みました。物語は砂漠地帯で暮らす人々の生活が丁寧に書かれていて、砂漠特有の風土、風や砂嵐などの情景、も浮かびました...
半年くらい前に『お弁当作りの本か?』と思って図書館で手にとって出会った本だが、いい意味で期待を裏切られた。レシピや調理法は一切載っていなかった。しかし、自分自身が「食育」について深く考えるきっかけとなった。 ...
主人公はウツと離人性人格障害とパニック障害を持っている、ゴマ君というやたら饒舌な若者だ。この変な若者が最後まで物語を引っ張っていくので楽しく読めた。若者は熊野の病院の精神科病棟で過ごしているのだが、ある日台風の豪雨による...
「青の炎」の読書感想文① 高校生の主人公が、次々に殺人を犯していくことに葛藤する姿がとても読んでて考えさせられた。大切な人を守るために決行した殺人が、いつしか殺人を隠すための殺人になっていってしまうのである。 殺人を重ね...
「カエルの楽園」の読書感想文① 今までの百田氏の作品は、「海賊と呼ばれた男」や「モンスター」などジャンルを問わず読んできたが、尊いメッセージ性があるいわゆるヒーローものが多かったように思う。それらは登場者を取り巻く数人の...
本書は、日本の「再建王」と呼ばれた実在の人物をモデルとした小説である。実は私はこの本の主人公と一回だけ、偶然にも四国のホテルのロビーで出会ったことがある。同席者にその事を教えられたが、その時の私は彼の事績について全く無知...
愛に関する悩み相談の本かな、と思いながら読んだが、思いがけず自分自身を振り返ることになり、読んでいていろいろな発見があっておもしろかった。著者の占星術師として悩み相談を受けるときの、答えを押し付けるのではなく、ご本人に問...
男と女の上質図鑑。この本を読みたいと思った理由は、表紙が大きいサイズの名刺のようなデザインだったからだ。もう一つの理由はタイトルが気になったからである。普段の生活で出来るだけ上質な物に触れるのが大切だと分かってはいるが、...
「地獄変・偸盗」の読書感想文 私はこの本を読み終わった時に、芸術至上主義を極めた芸術家の悲しみが、私の心に突き刺さった。愛する娘が死ぬことさえも、自分の芸術の集大成を描くために、その事実を受け入れた。 また、自分が今まで...
「残り全部バケーション」の読書感想文① 伊坂幸太郎の本を読んでみたいなと思いその中でも書店に特集されていた本書をよむことにした。名前の通り人生の残り全部バケーションだという名ゼリフも出てくる。これは、前職を失った登場人物...
私がカマラとアマラに興味も持ったのは大学時代のことである。当時は教員免許を取得するため毎日8時間程の勉強をしていた。教育業界では有名なカマラとアマラは教授の講義で知った。彼女らは狼に育てられ、狼のように生活をしていたと聞...
『虚無への供物』は1964年刊行。『ドグラ・マグラ』、『黒死館殺人事件』と共に「日本三大奇書」として知られている。本書については完全に興味本位、またエンターテイメントとして楽しむ目的で読み始めたものである。 ...
この本を手に取った理由は、別にタイトルの様に農業で起業をするつもりだったからではない。その時丁度、育児と仕事のバランスについて色々と考えており、ライフワークバランスを自分の思い通りにしたいのならば、人に雇われる状態だと現...
「神様のボート」の読書感想文 神様のボートは、信じ切る人が救われた物語である。主人公・葉子が信じたものは、“いるかいないかもわからないかつての恋人”。「骨ごと溶けるような恋」をした相手に突然別れを告げられ、「かならず戻っ...
「天国までの百マイル」の読書感想文 この本を読んだ時、私は母を癌で亡くしたばかりだった。「もっとしてあげられる事があったんじゃないか」「あの時仕事じゃなくて母の看病を優先していれば」。当時はそんな後悔の念ばかりが頭に浮か...
「アンの愛情」の読書感想文 非常に有名な赤毛のアンシリーズの2作目である「アンの友情」では舞台であるアボンリーを中心にストーリーが展開する内容である。アボンリー小学校の先生になったアンはそこで生徒とのトラブルや保護者との...
「死にたいままでままで生きています。」「死にたいままでままで生きています。」僕も、まったく同じような思いで、毎日を、「生き抜いて」いる‐咲セリさん。名前も顔も知らなかった。ただ僕は、僕の心にずっと前からある深い闇と、そこ...
「つめたいよるに」の読書感想文 「デューク」が死んだとき、私の愛犬も死んでしまったのかと思った。このつめたいよるにという本は、21の短編からなる小説だ。その幕開けとなる物語が「デューク」という、愛犬を亡くした女性の物語だ...
これは作者・五味川純平が自身の戦争体験をもとに、極限状態での人間の醜さと美しさを描き切った大作であると思う。仲代達也主演で映画化されたことでも知られているこの作品は、その抒情的な文章力により、登場人物の心の声や場面の緊張...