私はこの物語を職場の先輩(50代後半になる素敵な女性)から、『とても良い本なので読んでみて』と勧められて読みました。物語は砂漠地帯で暮らす人々の生活が丁寧に書かれていて、砂漠特有の風土、風や砂嵐などの情景、も浮かびました。
日中の太陽暑さから、夕方日が落ちてから打って変わってのひんやりした空気感、砂が肌に当たったり口に入ってザラつく感覚を味わいました。行ったことがない国、日本人の私が簡単に旅行などは出来ない国を、想像しました。
前半は砂漠の生活がゆっくりと流れていきます。自分達の生活、習慣の違いなどにも驚かされますが、主人公のシャバヌの明るく元気な部分に、女子の中にある共通のものを感じます。以前トルコを旅した際に知り合った男性と結婚して娘を授かりました。
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今は離婚してしまいましたが、その頃の、イスラムの彼と知り合った頃をこの小説を読んで思い出しました。自由でありたいと私も強く思ったことを思い出しました。日本で暮らしていると当たり前のこと過ぎて、現在はそのような思いにかられることは中々ありませんが、イスラムの世界は男性の方が立場が強く、女性は1人でどこかに出かけることもままなりません。
トルコは比較的開放されてますが、中東の方はもっと閉鎖的な感じだろうと思います。この物語でも特に印象的なのが、シャルマおばさんの言葉で、心の中に秘めた自分を持て、という言葉が心にグッときました。閉鎖的な国で生活する女性は、誰しもが心の中に秘めたものを持っていらっしゃると感じました。
また最後に父親からの逃亡には涙しました。私はシャバヌの父は娘の気持がわかってるのだと感じました。なぜなら父が涙ながらに折檻しているからです。そしてシャバヌは泣かずにじっとそれを耐えることが、1人の大人の女性になったのだなと感じずにはいられませんでした。
自分の中の大切な何かは誰にも奪えない、というシャバヌの強い気持を感じ、昔の自分も重なり、とても最後は感銘しました。
(30代女性)
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