半年くらい前に『お弁当作りの本か?』と思って図書館で手にとって出会った本だが、いい意味で期待を裏切られた。レシピや調理法は一切載っていなかった。しかし、自分自身が「食育」について深く考えるきっかけとなった。
この本の中で、佐藤氏は香川県の小学校で行われた「弁当の日」という取り組みを紹介している。その取り組みというのがとても興味深く、子供に買い出しから献立作り、おかずの調理までの一切を任せる日をつくるというものだったのだ。
子供たちが自分の力でお弁当の中身を考え、食材の選び方を学び、調理にチャレンジすることで、作り手の気持ちを追体験させる。子供の考える力や思いやりの力を育て、成功体験と自信につながる、素晴らしい取り組みに思えた。自分が子供の頃、「食」というものについて、このように考えた経験はなかったと思う。
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自分の子供にもぜひこのような体験をさせてやりたいと感じた。また、大学生や会社員にもコミュニケーションとしての「お弁当の日」を取り入れたエピソードもあった。お弁当を通じて発生する会話や、お弁当に関する1人1人のエピソードが掲載されていて、自然と自分もお弁当の思い出を振り返ってしまった。
私が学生の頃、たくさん母に作ってもらったお弁当には、たまに冷凍食品も入っていたのだが、卵焼きだけは絶対に毎日手作りしてくれていた。腐乱しないようにちょっぴりお酢の入った卵焼きに、前日の夕飯で残った大好物の唐揚げとプチトマト、ブロッコリーがぎゅうぎゅう詰めになって入っていたお弁当箱。
私の母のおにぎりはちょっぴり丸っこくて、小さな手の母らしい小ぶりなおにぎりだったな…と。自分が結婚して家庭を持ち、夫にお弁当や夕飯を作るようになって、母の大変さがよく分かるようになった。学生時代に、毎日部活の朝練で登校が早い私のために、忙しい中時間を割いてお弁当を作ってくれていた母への気持ちを改めて考えさせられた。
例え中身が素晴らしいお弁当でなくてもいい。「お弁当」は食べる人のために作られているのだと気づくことができた。母への感謝の気持ちがじわじわと溢れた。間違いなく母の作るお弁当は「愛情」だったのだと感じることができた。
(20代女性)
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