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読書感想文「山古志村のマリと三匹の子犬(桑原真二)」

色々な素敵な本があり、様々な感情や思考を私に与えてくれる。感じ方は人それぞれだと思うが、私が特に印象に残っているのが「山古志村のマリと三匹の子犬 」である。有名な話ではあるが、何故有名なのか、それには必ず理由がある。それは多くの人が共感し、良いものだと感じたからであろう。
 
中には宣伝の力で有名になるものもあるが、そういった話題は一時で終わり、長続きはしない。この本の素晴らしいところは、犬と人間のつながりである。犬は何故人を裏切らないのだろうか、何故辛いときは傍にいてくれるのだろうか。そう考えるだけでも、目頭が熱くなってしまう自分がいる。
 
私の気持ちだけが独り歩きしても、読んで下さる方にはまったく伝わらないので、そろそろ本の中身に触れようと思う。この本は2004年10月に起こった、中越大地震の時に新潟県山古志村で実際体験された実話を物語にしたものである。
 
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子犬が産まれたばかりの母親マリにマグニチュード6.8の大地震が襲った。飼い主の家族は数名外にいたため助かったが、おじいちゃんと孫が倒壊した家の下敷きになった。二人とも奇跡的に息はあるが、体がはさまって出ることが出ない状態のなかで、外にいたため無事だったマリが、おじいちゃんと孫の様子を何度見に来る。
 
無事におじいちゃんと孫は自衛隊に救助されるが、犬は人間ではないのでマリと子犬たちは、荒れた土地に残されたままになりる。人がこの世界で生きていく上では必ずルールが存在し、それを守りながら人と人は共存している。ルールは大事だが、この本を読んだ時に、これほど人間が決めたルールが辛いと感じるとは思わなかった。
 
犬は家族だろと思う私と、犬が嫌いな人や、もしくはその犬が他の人に危害を加えないという保証はなく、その犬を救助しなければもっと多くの人を救助できるのだろうと思う私。ここは沢山の人の意見が分かれる分岐点だろう。
 
犬の視点からみれば、子犬が産まれたばかりで大変な中、飼い主の様子がいつもと違うことが分かり、何度も様子を見に行きつつ子育てをし、ようやく飼い主が無事に助け中、食べ物も与えられない状態で置いて行かれた。
 
でも、飼い主が戻ってくるとまた喜んで飼い主元へと駆け寄る。この姿に私は涙が止まらなかった。人を想う犬、犬を想う人。このつながりをこれからも大事にしたい。命の尊さについて考えさせられる。
 
(30代男性)
 
 
 
 

山古志村のマリと三匹の子犬
桑原 真二 大野 一興
文藝春秋
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