「残り全部バケーション」の読書感想文①
伊坂幸太郎の本を読んでみたいなと思いその中でも書店に特集されていた本書をよむことにした。名前の通り人生の残り全部バケーションだという名ゼリフも出てくる。これは、前職を失った登場人物が仕事を失ってしまった僕の人生の残りは全部バケーションのようなものだと述べるところである。
私はこの本の中でこのセリフが一番気に入っている。なぜなら自分の人生も残り全部がバケーションだと思ってしまえば何か楽しく過ごせるのではないかと思ったからである。夏休み、春休みなどバケーションと言えば人々にとっての休暇であり、その休暇は自由に過ごしてもいい権利が与えられているのだ。
だが、仕事や学業など人々はそれぞれにやらなくてはならないことがあるのが現実でもある。だからこそバケーションと聞けば全てが解放され楽しい、嬉しい、幸せなどという印象を抱くのだ。だから例えそうでなくても残り全部バケーションだと思うのは気持ちの面でも良いのであろう。
そして、伊坂小説初心者であった私だがテンポよく読み終えることができた。短編集であり読みやすい印象であった。また、伊坂独特の終わり方に引き込まれていった。最後が綺麗に話がまとまって終わらないところがまた魅力的だと思い、その物語の続きをかんがえてみたくなるような終わり方であった。
また、短編集の残り全部バケーションの話で主人公が適当な電話番号に電話して友達になろうというナンパをするという何とも言えないぶっとんだ方法が面白かった。普通はありえないだろうというところであるがなぜか電話をかけた相手も運よく友達が欲しいと思っていたところで本当に出会ってドライブしてしまうという何とも不思議な世界観であった。
この主人公の友達になった人物は自分の浮気が原因で家族解散になってしまった最中であった。だが、そんか家族解散という重い事実もなぜかこの小説では楽しいひとときかのような明るく能天気に描かれていた。基本的に明るく、だがまた少し不思議な内容の話が多かったがこれ以外の伊坂幸太郎の本も読んでみたいなと単純思わせる本であった。
(20代女性)
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