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読書感想文「死にたいままで生きています。(咲セリ)」

「死にたいままでままで生きています。」「死にたいままでままで生きています。」僕も、まったく同じような思いで、毎日を、「生き抜いて」いる‐咲セリさん。名前も顔も知らなかった。ただ僕は、僕の心にずっと前からある深い闇と、そこにあるとてもとても大きな傷を持て余している毎日で、それを癒してくれる本はないものかとWeb上を探し回った結果、偶然に本書を手に取った。
 
驚いた。僕は咲さんとは縁もゆかりもない、赤の他人にすぎない。でも他人事とは思えなかった。親からの育てられ方、常日頃の思考法、そして抱えている大きな「心の病」、それら全てが、読めば読むほどに眼前に迫ってくる、そんな気持ちにさせられた。
 
なにかにつけて思い込みと押し付けが異常に激しく、「親」という権力をふるう父親。それに対して無力な自分。そんな自分を見て見ぬふりをして、助けてくれない母親。そこから生まれる両親に対する反抗心。本当はわかってほしい、認めて欲しい、このありのままの自分を。
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その思いを果たせないまま、目先の見えない自分の人生を歩いていく。偶然拾った、捨て猫とともに咲さんは本書で何件も精神科めぐりをしているさまを描いていて、最終的には「境界性パーソナリティ障害」と「双極性障害」との診断を受けたとのことだが、僕の見立てとしては「アダルトチルドレン」も該当するのではないかと感じた。
 
偶然拾った捨て猫を「あい」と名付け、必死の思いで育てる。誰よりも愛情を注いでもらえるような、そんな猫でいて欲しいと。しかし、その「あい」は、不治の病で咲さんのもとからも旅立っていってしまう…。
 
そののち、咲さんは自殺をはかり、運よく未遂に終わったとのことだが、咲さんの命は、天国にいる「あい」が、「その命は、まだとっておくといいよ」と言ってくれたものではないだろうかと、そんな感想を持った次第である。
 
「ただ生きているだけで、愛おしい」何かを「為さ」ないと愛されない、認められない、そういう「条件付きの愛」では、人はいつしか息苦しくなってしまう。野の花も、空を飛ぶ鳥も、もちろん「あい」も、何かを「為し」て、誰かから評価や承認を求めて生きているわけではない。
 
ただ「ありのままに」生きているんだ。毎日を。その命がつきる日まで。人間も、本質的には同じだ。この本を読み、僕は咲さんの心の痛みに深く共感するとともに、そういう思いを新たにした。
 
(20代女性)
 
 
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