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読書感想文「本日は、お日柄もよく(原田マハ)」

「本日は、お日柄もよく」の読書感想文①

最初に本の表紙と題名を見て、素敵だなあ、綺麗な言葉だなあと思って図書館で手に取ったのがこの本を読むきっかけである。物語は主人公である、こと葉が幼馴染の結婚式でのスピーチで失態をおかしてしまうことから始まる。原因としてそのスピーチがとても眠くなるという事であった。
 
このような経験は当時高校3年生であった私にとってとても身近な話であった。結婚式という舞台ではないが朝礼の校長先生や生徒指導の先生の話、授業の話は部活動に全力で励んでいた私にはとてもつまらない話で、ほとんどこと葉と同じように寝ていたからだ。
 
だから、こと葉にとても共感を抱いていた。そんな眠たいスピーチの後、九遠久美というスピーチライターの人がスピーチをした事でこと葉はとても感激し物語が進んでいく。この九遠久美がしたスピーチの内容を私自身も読んだ時、とても臨場感があり心が込められていて、相手に本当の気持ちをありのままに伝えていると感じた。
 
体裁よく整えられた言葉ではなく、ありのままの言葉で話す事でこんなにも人の心を惹きつける事が出来るのだと読みながら感心していたのである。そんな九遠久美というスピーチライターに弟子入りしたこと葉のスピーチにもとても感激した。特に友人に宛てた結婚式でのスピーチが素晴らしかった。綺麗事ばかりではなく実はこう思っていたという嫉妬していた言葉も入れる事で、より相手の心に染み渡る本当の祝福の言葉となっているような気がした。
 
そして、ちょっとコツを教えてもらっただけでこんなにも素晴らしいスピーチに変身するのだと思った。私も今は大学生であるが、いつかは周りの大切な友達も結婚して幸せな家庭を築く事が必ず来ると思う、そんな中でスピーチをする事がもしあれば、私も九遠久美やこと葉のように精一杯の感謝の気持ちと祝福の言葉、そしてありのままの心を相手に伝えて最高のスピーチが出来たらいいなぁと思う。
 
(10代女性)

「本日は、お日柄もよく」の読書感想文②

この物語から感銘を受けたことは、”言葉の持つ力は凄い”だった。スピーチライターという仕事も知らなかったので、凄く興味がわき物語に惹きつけられた。この本のタイトルは、スピーチによく使われるフレーズだったので、スピーチをする機会はめっきり減っていたが、何かの時の参考にできるかもという軽い気持ちで手にした。
 
ごく普通のOLをしていた主人公のこと葉の目線でストーリーは展開していく。だから、スピーチを始めるタイミングやどんな事を話したら良いかなどスピーチのコツも随所に散りばめられており、とても為になった。さらに、言葉の師匠と尊敬されているリスニングボランティアという仕事も初めて知った。
 
ただひたすら相手の話しを聞くという行為で、自分の意見を言ったり必要以上に応答せず、黙って聴くだけである。それは、相手を否定せずに受け止めることだなんて、考えもしなかった。私の場合も主人公のこと葉同様で、興味のない話しでは眠くなる。
 
しかも、相手の話しがエンドレスで長話になってしまうと、話の腰を折ってしまい怒らせてしまうこともある。ところが、リスニングボランティアの北原さんは、集中力が途切れることもなくしっかりお年寄りの話しを聞くじっくり聞いて最後に一言だけ述べる姿が素敵に見えた。私も聞くことは話す事よりもエネルギーは必要だけど、話すための勇気をもらえるように心掛けていこうと思った。
 
物語の後半では、スピーチライターの実力が試されるような選挙活動シーンが描かれている。その中で、主人公のこと葉と立候補者であり幼なじみの今川厚志を取り巻く人達の優しさ、無償の愛を感じた。私は思わず仲間っていいなと感じて、心の中が温かくなった。
 
会社の元同僚や対立候補者のスピーチライターなのに、SNSに働きかけたりと密かに協力をしていたらしい友人のワダカマの行動もカッコよく見えた。でも、こんなふうに無償の愛を注いでくれる存在が、私の周りには一体何人いるのだろうとも考えさせられた。
 
もちろん人柄もあるだろう。だがそれ以外にも厚志の妻のように相手を思いやる言葉の力も大きいように感じた。私の場合、本人達は悪気もなく発した言葉の刃に傷ついた事が多々あるから、話す事がだんだん怖くなり黙ってしまう。言葉の持つ力強さは、時に相手を傷つけたり、優しく包み込んだりと変幻自在である。
 
だから、言葉を操ることは難しいのかもしれない。その言葉をこの物語に出てくるスピーチライターのように上手く操れたら、もっと人の温かさを感じて、優しくなれる気にさせてくれた素敵な作品であった。
 
(40代女性)

「本日は、お日柄もよく」の読書感想文③

文庫本の表紙のデザイン、そしてタイトルを書店でひとめ見た時から魅かれるものがあり、読んでみた。平凡なOLをしている主人公が、スピーチライターという職業に出会い、周囲の人との関わり、さらに政界へと深く関わっていくなどの変化を通して成長していく物語だ。
 
序文から話言葉で始まり、読みやすい流れでさっそく引き込まれた。主人公の少しゆるいキャラクターや、その他登場人物の会話などから、穏やかな日常の出来事の話が続くかと思って読み進めたが、後に全くイメージしていた展開とは違う内容になり、さらに引き込まれていったのである。
 
わたしは以前より、総理大臣をはじめテレビでよく取り上げられている政治家の方々のスピーチについて興味があった。演説する際の説得力のある内容や話し方、報道人の方々とのやりとりの際にみられる、臨機応変に対応する能力に見ていて感動を覚えることもあるのだ。
 
どうしてこんなに素晴らしい内容を語れるのだろう…どうしてこんなに説得力があるのだろう…そういった疑問は、この小説を読み、スピーチライターという仕事があり、その方達に支えられているということを知り、驚きそして納得した。もちろん、政治家ご本人たちの考えが立派で、それを柱にしていることはわかっているが、影で支えるスピーチライターという職業にとても興味が湧いた。
 
伝説のスピーチライターと呼ばれる久遠久美は、スピーチを手掛けるのに長けているだけでなく、人間的にもとても深く優れている人だと思った。身近な人が落ち込んでいるとき、その人にあったとても素敵な言葉をかけてあげられる。親しい人が悲しんでいるとき、寄り添ってあげられる。そういう人だからこそ、誰の心にも響くスピーチを手掛けることができるのだと思う。
 
その久遠久美が恩人から言われた「君のお父さんとお母さんが与えてくれた体を、大切に使いなさい。そして心は、君自信が育てていくんだ。」という文が忘れられない。心を育てることができる。そう勇気づけられた。この小説を読んで、心が言葉にもあらわれることを知りました。この世で生きていく限り、人と関わり言葉は必ず使う。
 
誰かを傷つけたり悲しませたりするためではなく、幸せな気持ちにしたり、喜ばせてあげるために、言葉を発していけたらいいなと思った。そのために、いろいろと体験し、自分自身で考え、想像力を働かせる努力をしていこうと思う。
 
(30代女性)

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