読書感想文「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼(志駕晃)」

映画も大ヒットの「スマホを落としただけなのに」の続編である「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」これも面白かった。今回は殺人の描写やエロい部分も少なく、前作よりは読後の気分は軽かった。この続編では殺人を犯さなかった殺人鬼浦上が逃げ切った事に、私はやったねと心の中で呟いてしまったのだ。

 

今回の追う側の主役である神奈川県警凄腕のサイバー担当刑事桐野は民間セキュリティー会社からの転職者で、彼の恋人である実乃里は会社の元同僚だ。実乃里は主役ではないからだろうが、前作の麻美みたいな美人に描かれていなかったのは少し残念である。

 

 

 

一方、追われる側の主役である伝説のクラッカーMだが、ミステリーらしく序盤から登場はすれど実態が中々掴ませないのだ。ただMの初登場が桐野の恋人実乃里が入ったコーヒーショップで、店に事前に仕掛けたダミーWifiを通し彼女のスマホを覗き見る(ハッキングする)場面でなのだが、そえが私には非常に不自然に感じた。

 

読み手によって感じ方は変わるでしょうから私の意見の押し売りはしないが、これから対決する桐野とMをこの様な偶然で繋けちゃうのは小説と言えど容認し難いのだ。Mは仮想通貨流出事件の犯人としての位置付けですが、前作の浦井が起こした丹沢の連続殺人事件にも関わっておるのは、割と少ない登場人物の中でも重要人物が絡み合えるネット社会と言う広くありながら狭い特殊な環境が成し得る技なのだろう。

 

浦井を捜査に協力させMを追い詰めて行く桐野達でしたが、Mが交通局をハッキングし仕掛けた交通網へのクラックで首都圏が大混乱の中、実乃里を拉致され窮地に陥ります。麻美と同様に危機一髪で救出されますが、今回はそれによって浮かび上がる実乃里の暗部は残念ながらありません。

 

捜査陣の活躍でMの正体と突き止め逮捕されるが、その犯人は桐野が勤めていたセキュリティー会社の社長であり、私には理解し難かった実乃里を殺そうとした訳も明らかになる。この逮捕劇の混乱に乗じて浦井は警察保管の己のDataを巧妙に改竄してから逃走してしまうのである。

 

Data改竄で空港のセキュリティーまで通過し出国をした浦井から、ラストで桐野に電話があり短い会話を交わすが、それが浦井VS桐野の第2ラウンドがあるのかと期待しつつ読了したのでした。

 

(60代男性)

 

 

 

 

 

 

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