読書感想文「イニシエーション・ラブ(乾くるみ)」

イニシエーション・ラブという本を読み終えたとき、すぐに思ったことは「どういうこと?」という何とも言えない不可解な感覚だった。しかし、改めて考えていくうちに多くのことが繋がっていき不可解な感覚も紐解かれていった。だが、それでもなんとなくスッキリしない気持ちだったので、私はもう一度最初から読み返してみた。

 

二度目を読んでいくうちに、全てのことが繋がりスッキリしない感覚だったものが解消され、最初の「どういうこと?」という感覚から、「なるほど!」という感想に変化していった。イニシエーション・ラブという本は、初めて読む人には何の変哲もない恋愛小説のように感じるかもしれない。実際私も最初はそう感じながら読んでいた。

 

 

 

しかし、二度目を読むとただの恋愛小説ではなくなった。文章を読むということの楽しさがそこに詰まっているように感じることができた。この本の構成は、sideAとsideBという二つの大きな文章に分けられている。sideAは大学生である主人公鈴木とヒロインのマユの恋愛をリアルに描いている。

 

sideBでは社会人である主人公鈴木とヒロインのマユ、そして鈴木の同僚の石丸美弥子との浮気を含めた恋愛をリアルに描いている。この大学生と社会人の恋愛を環境の変化などを含めて、非常にリアルに、且つ生々しく描いている。私は年齢もそれほど離れていない登場人物が繰り広げるさまざまなドラマを普通に楽しんでいた。

 

実際にそれだけでも十分といえるほど楽しく読むことができた。しかし、この本は恋愛小説ではなくミステリーだ。最後の最後でどんでん返しをされ、たいていの読者は度肝を抜かれるだろう。もちろん私もその中の一人だ。非常に驚かされた。最後の二行だけで、今までの恋愛話が一気にミステリーに変化したという感覚に包まれた。

 

私は今までこれほど急などんでん返しをしてくる本に出会ったことがなかったので、非常に感動した。だからすぐに二回目を読みたくなった。イニシエーション・ラブという本を読んで、私はいろいろな感情に振り回されながらも非常に新鮮な感覚を味わうことができた。私にとって驚かされ、面白くて、ゾッとさせられる最高の一冊でした。

 

(20代男性)

 

 

 

 

 

イニシエーション・ラブ (文春文庫)
乾 くるみ
文藝春秋
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