「トム・ソーヤの冒険」の読書感想文
幼い頃にテレビで見た記憶があるのですが、子供が生まれて、成長したら読んで欲しい本を探していた時に本屋さんで見つけたのがトム・ソーヤの冒険でした。この本を読んで感じたことは、やはり大人になった自分は、子供の好奇心を無くしてしまっていて、すっかり受け身な生活をしているということです。
主人公のトムや、宿無しのハックは、実際に冒険をするという非日常的なこともありますが、日常生活でも、日々の生活をいかに楽しめるかを考え工夫し、そして実際に実行するという活力ある生活が描かれています。今の自分の生活はどうでしょうか。毎日が同じことの繰り返しです。起きて、仕事して、食事して寝る。
「風呂・メシ・寝る」という、つまらない夫が妻に言うぶっきらぼうな言葉と同じようなメリハリのない生活を送っています。休みの日に考えることも、「仕事の疲れをとらなければ」とか「来週の仕事のためにも体調を整えなければ」といった消極的なことばかりで、生活に活力が全くありません。この本は、そんな私に「たった一度の人生なのだから、もっと人生を楽しめよ」と言っているように思えました。
この本は、そんな冒険心あふれた子供たちの日常生活を描いているだけではなく、物語の時代背景を学べることもでき、そんな意味でも子供にはお勧めの本だと思っています。奴隷制度の残るアメリカで、生活の中で労働をしているのは黒人だけです。働いている(働かされている)黒人の苦悩も描かれています。
今でいうブラック企業のような労働環境から抜け出すことも出来ない、抜け出せば射殺されかねないなど、その時代の出来事を嘘偽りなく書かれています。アフリカ大陸から連れてこられて、奴隷としてこき使われるなかで、いつかは故郷のアフリカに帰りたいという場面も書かれており、これは作者の奴隷制度に反対する気持ちが書かれているのだと思いました。
テレビアニメで放送されたということで、子供が読む本と思われる方も多いと思いますが、大人が読んでも面白く、学ぶことも沢山あると思います。もちろん、子供が本を読めるようになったら、絶対に読ませたいと思っています。
(20代男性)
全く、同感です!