読書感想文「第五の山(パウロ・コエーリョ)」
「第五の山」の読書感想文 東日本大震災やシリアの内戦など、日本各地・世界各地で起きている災害や戦争を見聞きすると、誰しもこう思ってしまうだろう。「神が本当にいるのなら、どうしてこのようなことが起こるのだろう」と。ましてそ...
「第五の山」の読書感想文 東日本大震災やシリアの内戦など、日本各地・世界各地で起きている災害や戦争を見聞きすると、誰しもこう思ってしまうだろう。「神が本当にいるのなら、どうしてこのようなことが起こるのだろう」と。ましてそ...
「さぶ」の読書感想文 「さぶ」というタイトルから、さぶが主人公なのかと思ったが、主人公は英二という青年で、さぶはその友人だったので驚いた。だが読み進めていくと、さぶは主役になれない人間なのだということがわかった。学校でも...
「終わらざる夏」の読書感想文 祖父はシベリア抑留を体験した人だ。彼は私が小学生の頃に亡くなっており、戦争体験をあまり聞けずにいたことを後悔していた時に、丁度この本に出合った。シベリア抑留の描写自体は少ないが、未体験の戦争...
「一○一教室」の読書感想文 どうして忘れてしまっていたのだろう。この本を読むまで、高校時代の嫌な思い出は全て頭の片隅に追いやり、綺麗な思い出だけを残していたのだ。だから、自分の高校時代は輝かしかった、そう思い込んでいただ...
「空の拳」の読書感想文 直木賞を受賞した人気女性作家の角田光代が、描いたボクシングの小説である。角田光代の作品は、女性を主人公にしたものが多く、またそれらが代表作になっているのだが、今作は珍しく男性を主人公にしている作品...
「ブラックボックス」の読書感想文 とある地方の町、サラダ野菜を作る農場、それを加工する工場から話は始まる。深夜、立ちっ放しのサラダ用のカット野菜工場で働くのは、シングルマザー、外国人研修生たちである。外国人研修生とは言っ...
「アルケミスト 夢を旅した少年」の読書感想文 この本は、ひとり旅で出会った、仕事を辞めて日本一周をしている女性から勧めてもらった本だ。彼女はこの本を「人生のバイブル」と言っていた。旅から帰り、早速読んでみたが、当時はどう...
「運命の人」の読書感想文 沖縄の基地問題、憲法改正の議論はテレビや新聞、インターネット等を通じて見聞きすることがあると思う。沖縄の基地問題について、何故いつももめるのだろうかと深く考えることがない人は多いのではないだろう...
毎年9月に発刊される、杉原爽香シリーズの第31弾。登場人物が毎年一つずつ年を取って行くという珍しい形のこのシリーズを毎年楽しみにしている。今年は「爽香45歳の冬」。第一弾が「15歳の秋」だったことを思うと、初めてこの爽香...
「夜また夜の深い夜」の読書感想文 犯罪者の子供が、なぜ親の責任まで負わなければならないのか。そんな当たり前の疑問を、この国に生まれ育った私は、今まで持ったことがあっただろうか。 そしてそれは、この小説の中だけではない。遠...
「ガリレオの苦悩」の読書感想文 主人公の帝都大学理学部准教授である湯川学が、大学時代の恩師である友永幸正の自宅に、他の教え子たちとともに招かれる。しかしその夜、友永邸の離れで火災が発生。焼け跡から、友永幸正の実の息子邦宏...
「ウォーターゲーム」の読書感想文 「太陽は動かない」「森は知っている」に続く鷹野一彦シリーズの3作目である。正直、書評やネットのレビューの評価は芳しくないが、私は面白かった。「水道事業民営化」を巡る利権争いが発端の九州で...
「彼女は頭が悪いから」の読書感想文 この話は実際に起きた、東大生の強制わいせつ事件がもとになっている。登場人物たちの出身校も少し名前を変えているが、ほぼそこから推測されるものも多く、学校ごとのレヴェルによって、それぞれ悩...
「静かの海 その切ない恋心を、月だけが見ていた」の読書感想文 内定を取り消され絶望していた大学4年生の行成と、小学校6年生の少女マサキの淡くも切ない12歳差の恋物語である。視点はほぼマサキで語られ、幼い少女マサキが少しず...
「旅猫リポート」の読書感想文① 文庫本を購入して合間を見て読み、1ヶ月くらいで読み終わった。なんだか心あったまるような動物ものか家族ものが読みたくなったので、タイトルに猫という動物の名がはいっていて、どうやら猫が主人公ら...
「優しいおとな」の読書感想文 桐野さんの作品を読んでいつも驚く事は、本の中で起きている事が何年か経って本当の現実になる、という事だ。 OUTが発売された時にも、普通の主婦が深夜から早朝まで工場で働くなんてとても信じられな...
「奥様はクレイジーフルーツ」の読書感想文 図書館で作者名だけを見て借りた本だったが、読み始めた時は、柚木さんの小説は好きだけど、この話は途中で読むのを辞めてしまうかもしれないと思った。題名にフルーツとついているだけあって...
人魚が人間の姫になる物語が時を越えて愛され続けるのなら、その逆があってもいいじゃないか。読み終わったその瞬間、心の底からそう思った。 ヒロインであるイライザと共にこの物語の中核を成す「彼」は決して一般的にイメージされる「...
「絹の変容」の読書感想文 私は篠田節子さんの絹の変容を読んだ。この小説の舞台は東京の八王子である。主人公は絹を作る絹屋の息子。自分の実家を継ぐのを渋っていたが、もう30歳に近くなり妻子をもらい渋々実家を継ぐことになった。...
私はお盆や年末年始などの長期休暇には帰省する。移動の電車内や実家では本を読んで過ごすことが多い。今年のお盆の帰省時に読んだ本は『会計天国』だ。著者の竹内謙礼は経営コンサルタント、青木寿幸は公認会計士である。今回の作品は経...
就職活動に失敗して、ホストで金を稼ぐなんて、もしかしたら今やありきたりな生活転身なのかもしれない。夜の仕事というだけで偏見を持ってしまいがちだが、やはりホストという気持ちにもなってしまう。おう吐した痕跡があったり、同じお...