読書感想文「神さまたちの遊ぶ庭(宮下奈都)」

面白いエッセイってあるんだと思った。久しぶりに終わるのが勿体無いと思った。「神さまたちと遊ぶ庭」は、著者宮下さんが、北海道十勝トムラウシに1年間山村留学した体験を日記風に記したエッセイである。
 
私は十勝の帯広近郊に住んでいるので、登山で行ったことのある大雪山の麓のトムラウシがどんなところか、北海道の季節の移り変わりがどんなものであるかそこそこわかっていると思っていた。が、このエッセイには宮下さんと一緒に(のような気持ちで)新鮮な北海道十勝の空気を吸っているような山の清々しさを感じた。
 
そして、3人の子供たちと宮下さんの会話の面白いこと!宮下さんの小説は、気持ちの機微を追うような、自分の中を見つめるような、細かい心を感じる。が、エッセイは、その逆で、気楽になんとなくニヤニヤしながら読める。そのニヤニヤ、時に声に出してあははと笑わせてくれたのが、宮下さんと3人の子供たちのやりとりだ。
 

 
 
エッセイって、なんとなく、どうだ凄いだろう、みたいな考え方や体験の自慢?が書いてあるようなイメージで、しっくりくるものはそう多くなかった。なので、「神さまたちの遊ぶ庭」は、自分が宮下さんとトムラウシにいるような、肩の力を抜いて読むのことのできる貴重な本だ。私は、この本を読んで宮下奈都さんという小説家に初めて興味を持って、他の著作を検索した。
 
そしたら、自分が、意識せずに本棚に買って並べていた小説の中に宮下さんの本はあった。引っ越しを数回へて勝ち残ってきた本なので、何回も読み直したいと思った本たちの中にそれは混ざっていた。そっか、宮下さんの書くものは自分とすでに寄り添っていたのだと知った。人生の時々で自分と寄り添ってくれる小説、にエッセイが加わった。
 
ちなみに、宮下さんの旦那さんは、山村留学中週2回の仕事をし、あとは本をたくさん読んだり、ソフトボールをしたりしている。私の旦那は、病気でフルタイムで仕事ができない。共働きでガツガツ働くのが普通になってきた世の中、ちょっとホッとした。
 
(30代女性)
 
 
 
 

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