読書感想文「国家の品格(藤原正彦)」

この本は日本という国ひいては日本人がどのような方向に進めばいいか、わかりやすく諭した本である。私はこの本を読み、以下のように独自解釈したのでここに記す。
 
現代の日本は荒廃している。世界標準に近づきすぎている。そして、古来よりの伝統であった、日本人の美学や美徳が消え去りつつある。そういったことに危機感を持った作者が著した本である。なぜ世界標準ではいけないのか。
 
それは、現在に至るまで、日本人が古来よりの伝統を受け継ぎ、それを世界に示すことで、日本にしかできないことを今までやってきたからだ。世界標準に合わせてしまったら、日本人しかできないことができなくなってしまう。
 
それは、日本という国がダメになるだけでなく、世界にとっても悪いことである。

 
 
 
外国からの日本を見る目にも注目したい。やれハゲタカファンドのマネーゲームだの独立強硬路線だの、日本人の倫理道徳からは理解できないようなことが世界にはたくさんある。弱いものは助ける。情けをかける。協力する。いじめをしない。卑怯なことはしない。
 
そういったことを日本人は当たり前のように実践してきた。
 
外国が日本という国に価値を見出しているのは、日本人の魂が第一にあったからである。国家の品格とは、アメリカでいえば開拓精神であったり差別しない、万人を受け入れるということがあげられ、それがなくなればアメリカではなくなってしまう。
 
日本の品格とは、古来よりの伝統や奥ゆかしさ、武士道、ものの考え方など、そういった魂の部分のことである。
 
それがなくなれば日本ではなくなってしまう。価値のない国になってしまうということだ。現代では世界の流れに押され、日本らしくふるまうことができなくなっている。日本人はそれがどれだけ危険なことか、今ここで各々自覚したほうがいい。
 
というのが全体の流れである。導入部分からして易しく、この手の本にしては短いページ数で万人にわかりやすく説明できている部分は評価できる。ベストセラーになったのも頷ける。
 
やや親父の小言風になってしまっている部分もあるが、学生からお年寄りまで、日本人なら読むべき一冊だろう。
 
(30代男性)
 
 
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