読書感想文「小説 君の名は。(新海誠)」

あとがきの最後の1ページを閉じた瞬間に「よし、もう一度映画を観に行こう」と思わされた小説は初めてかもしれない。今誰もが知っているだろう人気映画の監督が書き下ろした原作小説だ。小説ではなく、映画が原作の書き下ろし小説は近年珍しいと記憶する。映画はとても心が洗われる名作だったが、複雑怪奇なストーリーゆえ、細かな描写が話を繋ぐ鍵となっていて、1度見ただけでは到底わからない。
 
その足で本屋へ出向き、最後の一冊であったこの本を手にしたのだが、この小説は映画と違いまた違う。いや、違うといっても勿論は話は映画と同じなのだが、文章から創造できる世界がまた一味違う。何度もいうが、この本は映画の書き下ろしゆえ、普通の小説よりもどこか脚本のような文体なのがいい。
 
すっと心に入ってくるような文体で、世界がとても創造しやすい。映画で結びつかなかった点と点がきちんと線になるおもしろさ。映画で見落としていた伏線を、しっかりと拾うことができた。ストーリー自体は複雑怪奇、想像もできなかったどんでん返しの連続で読み手をまったく飽きさせない。私は今年30歳の節目を迎えるが、主人公の瀧のような猪突猛進な情熱をなくしているなぁと思った。
 
自分の「夢」という曖昧な世界での現実を信じて情熱を注ぎ、自分の信念を貫き通す主人公。それでも忘れていく儚さと戦う情熱は、とてもファンタジーな物語でありながら現代の日本社会のあり方を問われているような気がした。私はフリーランスのミュージシャンである以上、自分の可能性を信じて突っ走る力はもっているつもりだったが、この本を読んで私も大人になってしまったんだなぁと反省した。
 
自分の見た「夢」の記憶だけを頼りに飛騨までいくような行動力は、はるか昔に置いてきてしまった気がする。フリーランスは売れるまでは常に猪突猛進でいなければ…と気持ちをあらたに頑張ろうと思えた30歳。そして災害大国日本において、いつ何時このような災害が起こるかわからない。毎日を必死に生き、毎日が悔いのないように走りぬくということ。当たり前のようにすごしている毎日の儚さを改めて見つめなおすきっかけにもなった。
 
(20代女性)


 

 
 
本書は日本だけはなくアメリカやアジア諸国で大ヒットを記録しているアニメ映画君の名は小説版であり著者は映画版を監督した新海誠さんである映画が大ヒットしているという情報が毎日のようにニュースで登場していた本当はDVD化されるまで待って事前情報なしに観ようと思っていたがどうしても気になってしまい小説版君の名は購入して読んでしまった
 
物語はお互いのおぼろげな夢から始まりこの小説は男女の入れ替わりを主としたテーマで進み入れ替わりを続ける中で男女が恋に発展していくんだろうなと思ったがそんな単純なものではなかったのである夢かと思われた入れ替わりが本当に入れ替わっておりお互いが性別の違う体に入れ替わる気の向くままに入れ替わりを楽しんでいる様子が描かれており男が女になったらしそうなこと
 
女が男になったらしそうなことをしておりすごく共感が出来るのである中盤からは想像以上の展開をみせるまさかの時間のズレがあったのである本書を読みながら特に違和感なく物語が進んでいたが入れ替わりを続ける中でお互いに好意を興味を抱いていくのが伝わってくるなぜ直接会いに行ったりしないのかと思っていたところで時間のズレが判明
 
また時間のズレにより生死の世界のズレも判明するこれを知った時は思わずドキっとしてしまった心が通い合った男女がもう通じ合うことは出来ないのか運命を変える方法はないのかと登場人物の気持ちになっていったのを覚えている主人公の男女二人は時間のズレ生死の世界のズレをなんとかクリアし運命を変えるのだが運命が変わるということはパラレルワールドが生まれるか
 
未来が変わり人々の記憶も塗り替えられるというのが一般的なところだと思われるが本書では後者の展開をみせていく記憶が塗り替えられお互いの入れ替わりなどの記憶は一切ないけれどもなにか引っ掛かるというか残っているというか片隅の記憶のようなものでお互いを求めあいエンディングを迎えるといった本書の物語
 
本書を通じて感じたことは絶対に諦めてはいけないということである実際の世界において過去と通じ合うということはないが過去であっても懸命に生き抜くことで未来を変えることが出来る現実では過去に縛られずに今を懸命に必死に生きることで過去とは関係なく未来を自分のものに出来るというメッセージを自分は感じ取ったとにかくにも今が大事だと感じさせられた物語である
 
(30代男性)
 
 
 

小説 君の名は。 (角川文庫)
新海 誠
KADOKAWA/メディアファクトリー (2016-06-18)
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