読書感想文「DIVE!!(森絵都)」

高所恐怖症。私もおそらくその部類の人間に入る。ましてカナヅチな私がプールに飛び込めと言われたら…。
 
いちばんのお気に入りの小説、DIVE!!は、飛び込み競技に青春を懸ける少年達の物語だ。ダイビングクラブ存続の条件が、シドニーオリンピックに出場すること。それぞれ強すぎる個性を持った3人がライバル・友人として、オリンピックの切符をかけて切磋琢していく。果たして、その腕にマイ・コアラを抱くのは誰か。
 
この本からは、多くの影響を受けた。イルカが好きになったのは、動体視力が武器の知季のセリフから。『イルカはいいよね、賢いくせに無邪気で、フレンドリーで、おでこもつるつるしちゃってさ。』
 
友人関係に疲れていた中で、笑わせてもらったのは、ノストラダムスの話。『だれそれ、アメリカ人?』『バカ、人類を滅ぼす大魔王のことだよ』『ノストラダムスと大魔王は別の人でしょ』『大魔王って、人なのか。空から降ってくるんだろ?普通に考えると、自分がまっさきに滅びるな』『東京じゃそんなドラマが流行ってたのか』

 
 
 
飛び込み競技に夢中で、世間の常識や流行には疎い少年達。そんな彼らの会話に笑わせてもらうと、また友人に笑顔で挨拶ができた。何より好きなのが、『ダイヤモンドの瞳』。もとはコーチが知季の動体視力を表現するために使った言葉。その『ダイヤモンドの瞳』に対する知季の捉え方がかっこいいのだ。
 
『きらきら光るそれら(仲間やコーチの飛び込みへの取り組み方・覚悟・その姿)のすべてを吸い込んで、今、ぼくの瞳は本物のダイヤモンドになる』つい周囲の人に批判的になってしまう私は、こんなことはしないようにしないと嫌われる、と否定的に考えてしまうことが多い。知季のように、その人の長所を、努力を、全て受け止めることができたなら…。
 
大喧嘩したあの子にも、素直に謝って仲直りできたはずだ。今度メールして、約束を取り付けて、謝る機会を作ってみたい。読み終わった後に、個性的な登場人物たち達のその後を想像してみる。3人のライバル関係はどう変化したのか。コーチ達のその後。あのカップルのその後。
 
今夏には、リオデジャネイロオリンピックが、2020年の東京オリンピックが開催される。この本を読むまで、その存在すら知らなかった飛び込み競技。今ではルールが改正されたようだが、その興奮は、変わらないだろう。現地応援はできなくとも、テレビ中継でこっそり、飛込み台、コンクリート・ドラゴンに立ち向かう選手達に、エールを送ってみたいと思う。
 
 
(10代女性)
 
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