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読書感想文「ぼくは勉強ができない(山田詠美)」

「ぼくは勉強ができない」の読書感想文①

この本を読もうとしたきっかけは、この本の裏表紙にあった、ぼくは確かに成績が悪いよ。でも、勉強よりも素敵で大切なことがいっぱいあると思うんだ。という文章に惹かれたことにある。

たとえ学歴が高くても、仕事をする面で正直なところ、扱いにくかったり、頭が硬く柔軟な発想が持てないマニュアル人間も多い。

高学歴という輝かしい事実を持っているのにも関わらず、うまくいっていないケースもある。性格が曲がっていたり人に合わせることができないせいで、友達が上手くできなかったり、婚期を逃し一生独身で最後は孤独死してしまうなんてケースも少なくないだろう。

頭が良くても犯罪を犯すケースもある。そんな世界なのに、日本は学歴をもとめることが非常に多い。そんな事実に私は随分前から嫌気がさしていた。この主人公と思っていることは同じであった。

秀美くんは確かに頭は悪い。だが、高校生であるのにもかかわらず、年上の桃子さんの気持ちを手にできるほどの対人関係においてスキルがあるわけだ。

それは、ただがむしゃらに高学歴だけを目指して勉強を閉じこもっていたのではなく、部活をしたり、対人関係を楽しんだり、母子家庭である母のことを気遣ったりと様々な経験をしているからだと思う。

私は、秀美くんのように、勉強だけをするのではなく、人とは少し違った経験を多くすればするほど人間として成長していくと思っている。

机に向かって勉強し続けるだけでは見えないことも多いだろう。ただ、私と秀美くんの考えの方の違いは、秀美くんはほとんど自分の勉強においての能力を諦めているが、私は勉強も1つの人間の大きな財産になるので、能力値が低かろうが勉強もがむしゃらにやるべきだと思っていることだ。

勉強も運動も、家族のことも恋愛も全ての経験が人間を形成し成長させるものだと思う。そして、逆にこの全ての日常生活の中で生まれる経験を持たないとまっとうな人間生活は送れないと思う。

この本を読んで、勉強だけが全て出ないと思うし、秀美くんと担任の先生のように自分をよく理解してくれる人との出会いだってあるわけだ。

全ての人に認められる人はいないだろう。ただ、勉強だけをして生きている人には見えないものもあるはずだ。うまく生きていきないなら様々な経験を進んでするべきだと思う。

(10代女性)

「ぼくは勉強ができない」の読書感想文②

『僕は、勉強ができない』って本を読んだ。 この本には、ぼくは確かに成績が悪いよ。でも、勉強よりも素敵で大切なことがいっぱいあると思うんだ、ってな事が書いてあった。

ネットを見ると、この言葉に共感してた人がたくさんいた。結局、社会に出たらルックスとコミュ力が大切なんだってみんなが共感してた。

人生で大切なのは勉強じゃなくて、 『恋愛』をしたりとか『協調性』を見につけたり、『友達』をたくさん作ったりする方が大切なんだって。ネットの人だけじゃなくて、クラスの人も先生も親もそうだって言ってた。

「正直、社会じゃ、勉強したこと役に立たないよ」 「脇山みたいにはなりたくないよな」 「秀美くん、超かっこいい」 「勉強だけできても、意味ないから」 じゃあ、僕はどうなっちゃうの?

ルックスも、運動神経も悪くて、とろくで、人と話すのも不得意で、勉強だけが取り柄な僕はどうなってしまうのか。 今までの、僕の努力は。 みんなが、楽しそうにしているのを横目に、僕はこれしかないからって言って、必死こいて勉強したのはどうなってしまうのか。

人生において大切なことが、勉強じゃないことなんて、お前らに言われる前から知っているつもりだ。 友達作って、部活に打ち込んで、青春して、恋愛して、やることやってって方が楽しくて有意義なことなんて、知っている。

でも、僕にはそれができないから。 勉強しかできないから。 僕には、それしか道がなかったから。 でも、どうやらその道は少し間違っていたみたいに思う。やはり、自分でもそれがわかっていたからこそ、この本に共感できるのだろう。

僕はいままで勉強だけをしていて逃げていたのかもしれない。人並み以上のルックスをもっていて、人並み以上のコミュ力をもっている人を羨ましがっていただけなのかもしれない。

今はまだどうすればよいのかわからない。でもまだ、これからいろんな経験をしていくなかで、自分も変わっていきたいと思えた。

(10代男性)

「ぼくは勉強ができない」の読書感想文③

私がまさに青春と呼べる時期に読んだ話。恋愛に奥手だった私は、自分の恋心をどのように相手に伝えていったらよいのか全く分からなかった。また告白をするからには素敵な恋愛をしたいという希望は常に持っていた。

でも誰にも相談できるわけではなく、ただ自分の恋愛妄想だけで考えていた。そんな時に出会った本がこの本で、まさに私の恋愛における教科書となる一冊。

いろいろ感じる自分の気持ちというのはなかなか言葉で表現できないことが多いが、山田詠美の凄いところは、この言葉にできない気持ちをとてもぴったりくる言葉で表現していること。

つまり自分の言葉にならない気持ちを代弁してくれる感覚で、読んでいてすっきりするのだ。特に恋愛初心者だった私は、言葉にできない気持ちを心の中にたくさんためていただろう。しかしそれを言葉にしたことで、より自分自身の気持ちを理解できたのだ。

この「ぼくは勉強ができない」は、若い二人の恋愛を描いたものだが、その恋愛の結末はどうであれ、その恋愛中の切ない気持ちが丁寧に描かれていることに注目をしていただきたい。

若いから恋愛に未熟だとか、そういう言葉で表現するのではなく、若いからこそ未熟な恋愛の切なさが描かれていると感じる。

それが不器用で、素直で痛々しく、泣ける。女性は男性に比べ、精神年齢が高いと言うが、この話の中でもそれがよく描かれている。女性の方が一歩も二歩も先を進んでいるし、恋愛に対するあこがれや希望も高い。それに比べ男性はなんとストレートなことだろう。

その気持ちのギャップ故にうまく恋愛も進んでいかないのであるが、最後にはやっぱり女って、男よりも進んでいるとおもわさるをえない。恋愛小説ではあるが、恋心を持ち始めた中高生にもきっと受け入れられる話。

また恋心を忘れてしまった中高年にも新鮮な話。私は何度読み返してもいろいろな発見があり、また恋心を思いだし、ときめくことが出来る。

(40代女性)

「ぼくは勉強ができない」の読書感想文④

この小説は8編の短い物語を通じて、勉強はこれっぽっちも出来ないが女性からはモテまくっている、サッカーが得意な主人公・時田秀美が様々なことを経験する中で考え悩み、葛藤しながらも行動に移していくというストーリーである。

確かに、秀美は変わっているかもしれない。彼の思考の深度においては特に。こう考えた、だからこう動く、というビジョンがとてつもなくはっきりしているのだ。そして彼を受け入れるだけの心のスペースを持った大人が2人もいる。

彼の母、そして彼の祖父である。そんな2人に10数年間育てられたのだから、その思慮深さや行動に移す速さ、ストレートさは当然と言えば当然なのだが。きっと秀美はその2人をよき理解者、というよりは受け止め、支えてくれる大人、と表すであろう。

やはり身近にそういう大人がいる、というだけで思春期の揺れ動きがちで不安定な高校生にとってはとても心強いものである。わたしも高校時代に、辛かったり苦しかった時、常に友人が居てくれた。

どんなに辛いことがあっても、彼女はわたしを独りには絶対にしなかった。ただ、よき理解者か?、と問われると少し違うような間柄であった。同じ年齢だが、彼女はわたしという人間の全てを受け入れるだけの心のスペースを持ち、それをわたしにちゃんと明け渡してくれた。

その時の安心感は言葉には表せない。彼女という存在自体がわたしの高校生活での精神的支柱であった。そんな彼女とも高校卒業と共に進路がバラバラになってしまい、今はお互いに地元ではないところで大学生活を送っている。

ちなみに番外編では、彼の小学生時代が様々な視点から描かれている。主人公だけでなく、秀美に手を焼く担任の奥村先生や彼の母などの視点からだ。

行ごとに変わるので最初は若干混乱していたが、読み進めるうちに慣れて行き、読んでいて面白かった。幼少の頃から既に自分をしっかりと持ち、周りを見ていた主人公の姿が読み取れる。

(10代女性)

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