読書感想文「翼の翼（朝比奈あすか）」

「翼の翼」の読書感想文

主人公は専業主婦の有泉円佳が主人公である。息子翼くんに小学2年生のときに全国一斉実力テストを受けさせ、思った以上にテストの点数が良かったので塾に通わせることになる。翼君は塾にもランクがあり、一番上のクラスで勉強することになる。

しかし、学年が上がるにつれて、翼くんの成績も悪くなっていき、円佳も円佳の旦那さんも翼くんに対して、風当たりが強くなっていくのである。この小説は自分の子どもがお受験を控えた母親やこれからお受験させようと考えている母親の方に読んでもらいたい小説だ。

私自身も今息子が幼稚園に通っており、小学校は公立に通わせて、中学受験はしてもらいたいと考えている。しかし、この小説を読んでみると母親円佳さんは自分のプライドと見栄で翼くんに良い中学校に入ってもらいたいと考えている。

翼くんは水泳が得意なのだが、主人公は自分が考えている偏差値の高い学校に行かせたいと考えている。息子の翼くんの意見はあまり取り入れていない。高学年になると翼くんの勉強時間を増やしていき、翼くんも勉強を頑張ろうとする。

テストの結果はあまりよくならず、主人公も主人公の旦那さんも翼くんに対して厳しくなっていく。後半の方になると翼くんが可哀そうで仕方なくなってくる。この小説はこれから中学受験を控えている息子を持つ私に対して良い小説だったと思う。

私もこの主人公の円佳さんのように息子には良い中学に入ってもらいたいと考えている。それに将来は良い中学に入ってほしいと考えていたのだが、私のエゴのような気がしてきた。

一生懸命勉強させるのも良いことなのだが、息子の本当にやりたいことや好きなことを優先させてあげたいと思っている。この小説に出会わなければ私も主人公のように息子の意見を考えずに、良い学校に入りさせたいお受験ママになっていたと思う。

これからは、息子の将来のことも考えると受験勉強も大切だが、息抜きも大切なので息子の好きなことをやらせて、将来は息子の学力に合わせた学校に入って、幸せになってもらいたい。

（30代女性）

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