読書感想文「更年期少女(真梨幸子)」

わたしは元々あまりどろどろした話は読まないが、一度手に取って読み出したら止まらなくなってしまい最終的に最後まで読んでしまった小説だ。あらすじとしては1970年代に「少女ジュリエット」に掲載されていた「青い瞳のジャンヌ」という未完のまま打ち切りになった小説のファンクラブの幹部6人の表と裏が書かれている。
 
どのメンバーもファンクラブ上では自分は裕福で恵まれているといった感じでいるけど、1人を除いて裏では全くうまくいっていない。そのうまくいっていないメンバーたちはこれでもかってくらい不幸なのだが、その中でも一番許せないメンバーがミレーユだ。
 
ミレーユは40代後半の女性で、ファンクラブ内では優雅にしているが実際は定職に付かずパチンコをしていて、独身で高齢の母親に寄生して生活している。その時点でわたしは生理的に受け付けない。しかも食事などの世話は母親にさせており、食事のメニューが食べ応えがないと飢え死にさせる気がと怒り、そうならと肉を食事に出したら太らせる気かと暴力を振るう。
 
パチンコで負けても暴力を振るう。他のメンバーも不幸であるしどろどろしているが、このメンバーは不幸になるのは自業自得であると思う。しかも許せないのが、ミレーユ本人だけでなく、その母親まで最悪の死に方をしてしまうのが読んでいてとんでもなく胸糞悪い。
 
恐らく胸糞悪くなる小説が好きで、胸糞悪くなりたいだけであったら、更年期少女のミレーユの回だけ読んでいたら十分胸糞悪くなるのではないか。この小説はそういうメンバーの不幸話や胸糞悪くなる話ですすんでいくが、最後に意外な事実が普通に分かるところも面白い。
 
意外な事実というのは唯一不幸ではないメンバー、ガブリエルが実は男性であったということなのだが、ずっと読んでいてももわたしは最後まで気付かなかった。でもガブリエルは女装しているわけでもなく、作者がガブリエルが男であることを隠しているわけでもない。
 
実際この小説を読んでいて感じることは、ガブリエルの性別を認識していたら感じることの出来なかった感覚だと思うので、そこもすごくおもしろいと思った。
 
(30代女性)
 
更年期少女

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