「神様の御用人」の読書感想文
この本は大学を卒業し、一旦は社会人になったが会社を辞めフリーターになってしまった主人公の「良彦」の物語である。良彦のもとにある日突然、狐の神様の「黄金」が現れた。人々が神事を怠ったせいで神様の力が削がれてしまったと語る黄金は、良彦に自分で自分の願いが叶えられなくなってしまった神様たちの願いを叶える「御用人」をやってくれないかと頼む。
物語冒頭でこのようなやり取りが繰り広げられるのだが、私は最初神様のことは全く知らなかったし、知ろうともしなかった。しかし、この本をどんどん読み進めているうちに、良彦と神様たちのやり取りが思っていたよりも軽快で面白いからか、神様について興味が湧いてきた。自然と、出てくる神様や神社・神宮などの名前を覚えるほどになっていた。
著者の浅葉さんはこの本を書く上で、全国を周ったそうだ。それが、この物語のリアリティーや面白さを演出している理由になったのかもしれない。 この物語には度々「古事記」という言葉が出てくるのだが、私は古事記なんて歴史の教科書でしか、聞いたことながなかった。多分多くの日本人がそうだろう。
しかし、この本を読んでいると、「もっと神様について知りたい。」「もっと、神社・神宮について知りたい。」と思うようになった。そして、本屋に行き、今まで見ることさえもしなかった古事記と全国の神社についての本を買った。読んでみると「神様の御用人神様の御用人」のおかげか、結構スムーズに読むことができた。
良彦というフリーターであり、優しい性格を持ち、どこか安心感のある青年と、少し難しいイメージのある神様と神社・神宮というのがとてもマッチして多くの人を魅了しているこの本に出会えて私はとても嬉しく思う。 この本を読むことで、今まで願いを一方的にぶつけていた神様たちに対して、感謝の念や大切にしていこうという気持ちがより一層高まった。
また、日本人の身近にいる神様だが、実は私たちが知っていることは少ないのだと改めて実感することが出来た作品だった。
(20代男性)
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