読書感想文「世界の中心で、愛をさけぶ(片山恭一)」

「ずっと考えているんだ。なぜ人間はあの世とか、天国とかいったものを考え出したのかって」「なぜだと思う?」「好きな人が死んだからだよ」300万部突破のベストセラーであり、映画化/ドラマ化もされている「世界の中心で、愛をさけぶ」を今更読んでみた。この作品を読む前は「よくあるヒロインが死んじゃう陳腐な純愛ものでしょ」というイメージだった。

 

実際の読んでいる途中でも「昔のことをいつまでも引きずっている」「振らたわけじゃないんだからまだいいじゃないか」「どんだけナヨナヨしてるんだよ、こいつは」というようなとても偏った見方をしていた。というのも、私自身も主人公の朔太郎に近い考え方をしているからだ。

 

 

 

愛した人と死別した過去を持っている人であれば、誰しも同様の感情を抱いているのではないだろうか。幸運なことに私はただ振られただけなので、「彼女が今も幸せにしているならそれでいい」という考えをすることができた。ただし、「彼女が私の横にいてくれなければ何も意味がない」と失恋を引きずっている時間がとても長かったのだが。

 

それでも失恋から何年も経っていくと、日々の忙しさに忙殺されたり、なんだかんだで人生が充実してきたりで彼女のことも吹っ切ることができた。ということで、陳腐な表現にはなるが、「失恋を乗り越えることが人間としての成長することにもなるんだろうな」と感じた。作中では、朔太郎も、亜紀との死別を乗り越えて最後は現実と向き合って生きていこうと決めていた。

 

(だいぶ時間はかかりすぎだが、そこは小説なので仕方がない)最後に、この作品を読んで思うことは、若いうちにたくさん恋をしてたくさん失恋するべきということである。30歳も超えるとだんだんと合理主義的になってきて、失恋した記憶は削除するようになるので、思い出を美化していい意味に忘れることができなくなる。昔を振り返って、とちょっと切ない記憶がよみがえるのは素晴らしいことだと思う。

 

(30代男性)

 

 

 

 

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片山 恭一
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