この本の主人公のリッキー・スタークスは、いつも規則的な毎日を送る、精神分析科医である。彼のクリニックには毎日のようにいろんな理由で心を病んだ患者が通う。患者は、皆予定通りの時間に、予定通りの合図で来院し、予定通りの時間で帰っていく。仕事が終わるとリッキーはまた規則正しく、毎日の日課をこなし、毎日同じ時間に眠りにつく。
しかし、この平凡な毎日が、ある日突然ポストに入れられた手紙によって崩れさせられる。その手紙は、「差出人の正体を2週間以内に突き止めることができなければあなたを殺す。あなたの代わりにあなたの親戚の誰かを代わりに殺してもいい。」という内容であり、差出人は書かれていない。
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リッキーは、差出人を探すために過去の患者のカルテを整理し、先輩医師にも相談を持ち掛けるが、リッキーの周りには次々にいたずらが起こり、リッキーは自殺を図る。 この本は精神分析医の日常生活や、患者の心の闇などがリアルに描かれている。一見すると、手紙の差出人を探す、探偵ゲームのようなミステリー小説だが、読み進めていくうちに、とても現実感のある話に感じてきた。
過去に診察してきた誰かが恨みを持ってこのような手紙を書いてよこしたということは、私たちの身近な、信頼していた人から、知らないうちに陰で裏切られていた。ことと同様のように感じるためであろう。 リッキーは精神科医だから、他人の心のことや、何を考えているのかがすぐにわかる。
その一面、感受性が強すぎるため、周りのことを1度疑い始めると、自分以外の何物も信じられなくなっていく過程が描かれている。自分が精神疾患になってしまったのであろう。 何も悪いことをしていないリッキーや、自分の親族が何者かによって殺されるというのは、すごく不安だし不振に感じる。特に、何も知らない、自分の親戚の小さい子供が誰とも知らない人から殺されるとなると、自分から2週間という期間を待たずに自殺をするかもしれないと思った。
(20代女性)
新潮社
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