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読書感想文「世界を7で数えたら(ホリー・ゴールドバーグ スローン )」

ヤングアダルトに分類される小説であるものの、文章に説得力があり、最後まで読み切った。2人の友人に勧めたところ、2人とも気に入ってくれた。悲劇的な展開を好まない友人でさえも、主人公ウィローの両親が死んでしまう話を素晴らしく感じた。ウィローに感情移入しやすくなるからである。主人公ウィローのように天才的な頭脳を持っていなくても、どんな読者も感情移入しやすく書かれている。
 
ウィローが好きになった。人生と人々に対する観察が好きなのだ。それぞれに欠点はあるものの全ての登場人物が愛おしい。驚くほどに無能なスクールカウンセラーのデルでさえ、このタイプの小説にしては独特のアクセントとなっている。普通ならばスクールカウンセラーは、両親の死をウィローが受け入れるのを助けるべき役割だが、ここでは、ウィローが彼を助けている。これが、この小説を流れるテーマだ。
 
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ウィローが様々な人々のサポートを得るのと同時に、彼女が周囲に様々なことを教えていくのだ。双方向に助け合っているのである。主人公ウィロー含め、複数の人種がこの小説に登場するのも良かった。どんな本であれ、人種の多様性は嬉しいことだが、子供向けの本ではなおさら嬉しい。家族や友人のことを大切に思う気持ちが強まる本だ。だから気に入っている。ウィローから見える世界の独特な描写も、この本の魅力のひとつ。
 
ウィローの明晰で子どもらしい性格で見る登場人物の描写は、ポジティブなパワーがある。登場人物がリアルに描かれていて、どのように感じているかを、しっかり読み取れる。サスペンスあり、笑いあり、そして悲しみを感じさせてくれる本である。カテゴリーに分けることができたとしても、人々は本当はとても似通っている、という道徳を教えてくれる。突然孤児となってしまった主人公を助けるために集まった登場人物たちに強く共感できる、素晴らしい小説だ。
 
この聡明な少女は生き残る方法を作り出し、登場人物全てにコミュニティー内の居場所をつくり、コミュニティーが向かう目的を編み出す。『世界を7で数えたら』は、家族、コミュニティー、愛についての力強い物語である。子どもから大人まで、どの年齢の読者にもおすすめできる。
 
(30代男性)
 
 
 

世界を7で数えたら (SUPER!YA)
ホリー・ゴールドバーグ スローン
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