「ホームレス中学生」の読書感想文
ホームレス中学生を読んでまず思ったことは、最低な親だなということだ。みんな強く生きていってください。解散!のところなんて、本当にふざけた父親だなと腹が立った。
公園で過ごしていたことも、私自身が実際に虐待をされていた頃に経験した内容とリンクして本当に悲しくなった。そんな経験をしているのにもかかわらず、明るく楽しい考え方にチェンジして過ごしている田村さんの素敵さが、文章から滲み出ている。
最近はよくニュースで虐待がニュースになっていて、家族の問題がとりざたされているが、田村さんのホームレス中学生に書かれている一種の虐待の経験談は氷山の一角に過ぎないのだなと実感した。
強くたくましく生きていく様、お笑い芸人になった話、子供時代に過ごした過酷な環境は、田村さんの人格の全てを作り出していると思えた。
子供からするとどんな親でも親で、いつまでも切れることのない関係性。どれだけ最低だろうが、どれだけ親としての自覚がなかろうが、親と子という括りからは逃れられないなと感じた。
ホームレス中学生が有名になり、読むまでに結構な年数が経ったが、読む価値のある本の内容だった気がする。本当の話か?と疑う部分もあるが、きっとあの言葉遣いや、あのリアルな描写は、本当に経験した人じゃないと書けないものだなと思う。
ダンボールを食べていたこと、白米を噛み続けて味の向こう側を見つけ出したことなどは心が痛くもなり、今自分が幸せに過ごせている環境に感謝する気持ちも湧いてきて読んだことによってさまざまな気づきがあったように思う。
このような心を打つ本は人の人生観をも変えるもので、私自身、この本を受けて感銘を受けた。中学生でホームレスになってしまう悲しさは経験した本人にしかわからないことで、だけど、今現在どこかでその当時の田村さんのように困っている子供や、困ってる人がいたならば、この本を思い出すと自ら困っている人を助ける勇気を出せる気がした。
(30代女性)
最高