読書感想文「The Pearl(John・Steinbeck)」

”The Pearl”(和訳タイトル「真珠」)は1947年にアメリカの著者John=Steinbeck(ジョン=スタインベック)によって書かれた作品である。英語の短編小説、情景描写が繊細で短文長文がリズムよく織り込まれているのが特徴だ。使われている単語は書かれたのが古いためか馴染みがないものも多かった印象を受ける。しかし内容としては分かりやすい起承転結で、分からない単語があっても読み進める事ができる。<あらすじ>貧しい漁師の一家(Kino, Juana, Coyotito)は慎ましくも幸せに暮らしていたが、ある日Coyotito(KinoとJuanaの赤ん坊)がサソリに刺されることで物語は一転する。町の医者へ向かうもお金のないネイティヴアメリカンという理由で門前払いをくらう。その後Kinoは二人を連れて海へ真珠を探しに潜る。そこで見たこともないような大きく立派な真珠を幸運にも手にすることとなる。村の戻るとKinoが”世界の真珠”を見つけたという噂は瞬く間に村中、町中に広まりCoyotitoの治療を断った医者も駆けつける始末。その医者に始まり様々な”evil men”(本文より)によって追い込まれていく。ー真珠のバイヤーがKinoがnon-educatedあるいはlow-educated(教養がない、低い)が為にKinoを騙し、真珠を安価で買い取ろうとする、盗賊がKinoたちが逃げられないようにカヌーを壊したり、家に火を放ったりするなどーKinoの妻であるJuanaは早くのうちに真珠によってもたらされる不幸を恐れて海に返そうと試みるも跡をつけてきたKinoに力ずくで止められる。

幾多の盗賊から逃れる間もKinoは決して真珠を手放そうとしなかった。結果Coyotitoが追っ手の盗賊に撃たれ息を引き取り、目が覚めたように二人は真珠を海に戻す。この物語は極めて多様なテーマが盛り込まれているように感じた。単純に『欲が身を滅ぼす』、や『お金で幸せは買えない』などといった教訓的なものだけではなく、時代背景や歴史を踏まえたものだ。これ上記のあらすじには記載していないが町の医者はKinoたちが訪ねて来た時、使用人に自分は医者であって獣医ではないと述べている。つまり彼はKinoたちは人間ではなく動物であるとみなしているということだ。スタインベック氏自身も移民であるためアメリカの差別の歴史というメッセージ性を感じ取られずにはいられない。またその差別に伴う貧富の差や教養の有無など、欲やお金といった単純なテーマでなく、より深い部分に焦点が当てられているように感じた。美しい文体の文学としての面だけでなく、そういった面からも読み込むと読後に今の日本で暮らしているだけではあまり実感のない差別や歴史について考えさせられる。私自身この本に出会い差別の古い歴史に興味を持つ良いきっかけとなったように思う。

 

(10代女性)

 

 

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