読書感想文「幻想古書店で珈琲を(蒼月海里)」

読んだ後に、古本屋に行きたくなった。設定も身近で、だけど、どこか少しファンタジーで、世界観にすぐに引き込まれた。縁を無くしかけた人が訪れる古書店というコンセプトも良かった。古書店に訪れる人に共感するということは、あまりできなかったけれど、実際に、私も本に助けられたことが何度ももあるので、本によって、また店主によって縁が取り持たれていくのが気持ちよかった。実際に有名な作品で登場する人物や、有名な作品が人と人との縁をとりなす中で、キーワードとして出てきて、本が好きな私にとっては、知っている作品が出てくるだけでも嬉しかった。ホフマンの「砂男」については、怖くて読んでいないので、今度これをきっかけに読んでみようと思う。

そして、何より店主の亜門と主人公司くんのやりとりが軽快で、みていて面白い。司くんの疑問点に思わず一緒にうんうんと頷きながら読んだ。少し堅いところも、亜門と対比的で面白かった。 あと、作品の中で気になったのは、一人一人の人生が本になるという亜門の魔法だ。それぞれの賞の後に、その人の人生の物語の本のデザインが描かれているが、まわりの装丁だけでも、人生が物語られていて、面白いなと思った。そして、私の人生は、どんな本になるんだろうと見てみたくなった。しっかりと物語のある人生を歩んで行きたいと思わせてくれるお話だった。司くんの本にも、これからどんな物語が描かれていくのか、続編を読んで一緒に楽しみたい。 また、神保町という場所が、実際にそんなに古本屋がたくさんある本の街だとは知らなかった。調べてみると、実際に170くらいの古書店があるらしく、ぜひ行ってみたい。そして、亜門さんのお店「止まり木」をコーヒーの香りを頼りに探してみたい。そんなふうに思えるような、現実にあるのではないかと思えるような、うまく現実に溶け込んだファンタジーだった。続編がたくさん出ているようなので、読みたいと思う。

 

(20代女性)

 

 

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