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読書感想文「グレート・ギャツビー (スコット・フィッツジェラルド)」

名作だと言われているし、ディカプリオ主演で映画にもなっていた記憶があるので結構期待して読んだが、あまり好みではなかった。別に話がつまらないわけではないし、文章だって凝った表現が色々使われていて、なるほどと思ったりもしたが、どうしても登場人物たちが好きになれなかったのだ。
 
それぞれみんな、人としてどうなのだろうと思ってしまった。不倫したり、他人にタカったり、自己中心的だったり、略奪愛を試みたり、そりゃあ人間なんて本質的には身勝手な生き物なのかもしれないが、真心って何なのだろうと思ってしまった。語り手役のニックも一見善人ぽく感じるが、結局は悲劇の進行を止めようともせずに傍観し続けていたわけで、いざ悲劇が決定的になった後で他人の行いを批判したりしても白々しいというか、そんな立場にはないように感じた。
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現実の社会にも、こういう達観したような雰囲気を漂わせながら、自分だけは善人だと言わんばかりの人がいるが、それは安全な場所から都合よく調子のいい言動を働いているだけだと思う。ギャツビーがデイズィに執着するのはわかる。本気で誰かを愛すれば、他の何も目に入らなくなることはある。
 
本気で好きな相手に対しては、この人がダメなら他の人で、なんて軽く考えたりは中々できないものだ。それに、デイズィの夫は不倫しているロクでなしだ。でも、だからといって人妻のデイズィを誘惑して、いい関係になったら勝ち誇ったかのように振る舞う様子は、彼女への愛より自尊心が強いように見えてしまう。そのデイズィも、夫の振る舞いがどうであれ、ギャツビーになびいて不倫するのはどうかと思う。
 
もしギャツビーを好きになったなら、きちんと段階を踏んで離婚するなりしてから付き合えばよいではないか。デイズィに自制心があればこの物語の悲劇は防げたと思う。結局この物語は、自分勝手な人たちがそれぞれ自分に都合のいい理由をつけて、他人を思いやることなく即物的に行動した結果起こった悲劇なのだと思う。
 
しかも登場人物のほとんどは、自分の悪い面を顧みることもなく、悪いことは人のせいにして自分を正当化している。ゾッとする。今の日本もかなり即物的になっているが、真心をもって他人を思いやり理性的に行動するように心がけたいと思った。そういう意味では、逆説的に良い本だったようにも思う。
 
 
(30代女性)

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