読書感想文「消された一家―北九州・連続監禁殺人事件(豊田正義)」

一言でいうと、あまりにも内容が凄惨を極めており当時の状況や、関わった人のことを考えると自分ひとりでは抱えきれないようなどうしようもない思いに襲われました。主犯である松永の精神状態が監禁時の描写からも、裁判での発言や態度からも汲み取れず本当に生まれ持った天才殺人鬼とはこのような奴のことを言うのではないかと思いました。

 

この事件に関わっている人の多さ、そして被害者となった人の中には小学校にも通えず幼くして亡くなった子供もいることを私はこの本を読んで初めて知りました。いったいこの事件に巻き込まれてしまい、被害者になり加害者になり苦しんで死んでしまった人。今も恐ろしい過去に苦しんでいる人たちは何を悪いことをしたのだろうと思いました。

 

 

なぜこんな地獄の苦しみを生きているうちに味わわなければならなかったのか、私は死後の世界や輪廻転生というものは話半分くらいにしか思っていませんし、そんな話を本気で信じているわけではありませんが。この人たちは前世で許されないくらいひどい行いをしたのか、それとも来世で飛び切り幸せになるための一生だったのかと考えてしまいました。

 

私は人は生まれてきたからには何かしら意味があり、どの人も生まれてきたそれだけで価値があり祝福された生き物だと思っています。しかしこの事件の主犯松永は前述したとおり、生まれながらの殺人鬼としか思えず、常人には到底思いつきもいないような残虐な手口で人間の尊厳までも貶めました。

 

そのことに対して私は、松永こそ生まれてこなければよかった人間なのではないかとさえ思ってしまいました。しかし松永も赤ちゃんだった頃はあるわけで、その時には親にも親族にも愛されて生まれ育ったのではないかとも思います。何のために生まれ、何のために松永はこのような事件を起こすに至ったのか、遺伝子の欠陥なのか良心の欠落なのか、人間という生物は悪い意味で自分の手の届く範囲であればやりたい放題できてしまう。そんな可能性を感じてとても恐ろしくなりました。

 

(20代女性)

 

 

 

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