読書感想文「「建築」で日本を変える(伊東豊雄)」

世界的に有名な建築家の本だったこともあり、パラパラと読んでみたが、都市的な大きな視点から考えさせられるところが多々あった。読破して自分の頭に残ったテーマは「東京」「地方」「近代」「建築の未来とは」だ。東京は日本の首都であり世界的にもメガスケールの都市である。

 

常に時代の先端を走り続け、流行を発信し人々を惹き付けてきた。人々が持つ憧景の念と行き過ぎた一極集中はストロー効果となっていま言われる日本の地方の疲弊や消滅危機を生み出す一因にもなっている。私たちがいま当たり前のように見ている均質化した街の風景は決して日本の歴史から育まれた風景ではない。近代化という劇的な文明の進化によって突然変異的に起こったものだ。

 

だから大多数の人々は文脈のない付加的なものを不自然で醜く感じる違和感を持って受け止める。ただその感覚は若い世代ほど鈍くなっているに違いない。「地方」これほど最近盛んにニュースとして取り上げられるテーマもないだろう。人口減少、消滅危機の都市や村などなど。これを建築的な視点からそして建築を設計する者の視点から考えるとどんな問題が見えてくるのか考えてみた。

 

 

地方は大都市のように最先端の文化やインフラは望めないが大都市にはない長い年月をかけて育まれてきた地元民密着の豊かで多種多様な文化を有している。もちろん自然とゆるやかに流れる時間は大都市では決して体験できないものである。こうした点は地方のもつ強みである。例えば木材。地元の木材であれば格段に安く良質な材を手に入れることができる。

 

さらに時代の流れはコンクリートから温かみのある木材へと確実にシフトしつつある。地元では当たり前としてあるものがじつは大きな価値を有しているということに地方はようやく気付き始めたと最近感じるし、もっとそうした価値を生かすべきだ。

「建築の未来」その時代を代表する建築家の言葉というものは、ものすごく大きな意味を持つ。それは建築自体が時代と切り離せないものであり、文化と切り離しては存在しえないものだからだ。これまで漠然と自分の中にあった問題もこの本を読み進めるうち、時代や歴史を引用しながら解かれていく様は合点いく部分が多々あった。

 

(40代男性)

 

 

 

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