冒頭に書かれているように、一般的にはネガティブワードであるように思える「逃げる」という行為について、細かく実践的に書かれていて、「上手くいかなくてもいざとなったら逃げれば、大丈夫かも」という、セイフティゾーンを用意してもらったような安心感があった。
この本を書いた中島輝さんの経歴は、二十五から三十五まで引きこもっていた時期があるというもので、電子書籍で購入したときはこの体験についての文章を期待していたのだが、読んでみるとそこはほぼ触れられておらずちょっと残念だった。
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だが「逃げる」→「落ちこぼれる、ついていけなくなる」といった反射的に浮かぶイメージを払拭する微に入り細に入った細かい「逃げる」ことについてのメソッドを記した本書は、非常に実践的な「希望」を感じさせてくれる書物だと思う。
実際に「逃げる」ことを実行した人間のことについても少なからず筆が割かれており、文章全体に「逃げる」という行為についての説得力が非常にある。また、説得力だけではなく「じゃあ真似してみようかな」と思ったときに、「具体的にはこうしたらいい」と真似することのハードルも実に低い。
様々なメソッドが細かい解説付きで用意されておりすぐにでも手を出すことが出来る。引きこもり体験について直接は筆を割かれていないが、そういった何かの自分の重い、大きい体験がバックボーンにあって生み出された創造物だという感じが読み終わって振り返るとあった。著者の「人を助けたい」という意思の存在を感じた。
読み手を拒否するところなく、様々な人々に開かれたこの本、読んでよかったと感じている。そう特別に長い書物でもないが、強引に「コスパ」で本を評価しようとしても、時間価値に換算した「実践的である」という評価は高いものになるであろうと感じる。
読んでよかったと思っている。著書を他のも読んでみたいと感じた。何も「人」について内的モチベーションがない人間が書くことはない本だと思った。自分を振り返って「マイナスの出来事でもそれが何かに転じることもあるよな」と明るい気持ちになった。
(30代男性)
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