読書感想文「さわっておどろく!――点字・点図がひらく世界(広瀬浩二郎、嶺重慎)」

この本は点字、点図に関する内容ですが、全く興味がないという人にこそ読んでもらいたい。というのは、私も今まで点字なんて家電製品やシャンプーなどに少し付いているだけのもので、読み方も、それを読んでいる人も知らないと思っていた人間だったからだ。

 

まず、この本は全盲の民族博物館准教授の広瀬浩二郎さんと、宇宙物理学者の嶺重慎さんによって書かれたものということを最初にお伝えしたい。民俗学の先生と宇宙物理学の先生の本だということを知って、この本を読んでみたいと思い購入した。表紙には点字が打ってあり、また少しぼこぼことした感触の特殊な加工がされている。

 

読み終わった後、この点字を読めるようになるのか?と思いながら、この本を読み始めた。話口調で書かれているので文章としてとても読みやすかった。読んでから著者である広瀬さんが全盲の方であるということを知った。後天的に全盲となったようなのだが、文章の中では色覚障碍者などと感じられない、ただただ面白い文章を書く人だと感じた。

 

 

 

これは私の偏見、差別なのかもしれない。色覚障害を持っているからと言って、話し方や文章の書き方が自分と違うとでも私は思っていたのか。そういう自分の意識をしていない部分で障害を持っている人のことを自分とは違う人だと思っているのかもしれない。お話の中で広瀬さんが大学合格した際の話が書かれていた。

 

全盲で大学に合格した人として新聞に掲載されたそうなのだが、それを読んだ見知らぬ人が涙ながらに声を掛けてきたそうだ。その時に広瀬さんは自分が視覚障碍者なのだと自覚したと書かれていたが、私ももしかしたらこの見知らぬ人であるかもしれないのだと感じた。

 

「よかったね」「やったね」と色覚障碍者だからすごいというような意味合いを込めて声を掛けてしまうかもしれない。そう思った。こうやって少しずつ壁を作っていってしまうのかもしれない。これは怖いことだと感じた。今まで自分の周りにいないからと言って興味がないと壁を作っていたのだと思う。

 

この本の中で、ブラインドサッカーについて書かれていたが、聞いたことはあっても行ったことはない。誰でもできるブラインドサッカー。目隠しをして行うサッカーだ。今、突然やってみたら、私はできるのだろうか。前を歩くことも躊躇してしまうだろう。不安な気持ちになるかもしれない。

 

最近では全国でできるようになっているそうだ。ちょっと目隠しをしてやってみたくなる。知らない、興味がないと思っていた部分だが、まずはブラインドサッカーからでもいい、挑戦してみようかなと思った。そしてもっと身の回りの物を真剣に触れてみたいと思う本だった。

 

(30代女性)

 

 

 

 

さわっておどろく!――点字・点図がひらく世界 (岩波ジュニア新書)
広瀬 浩二郎 嶺重 慎
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