もうすぐ八月、単なる夏休みという楽しさとは裏腹に原爆の日や終戦記念日が近づくと戦争のドラマの放映など、メディアで戦争についてとりあげられることが多くなる。図書館で平和の展示があったので久しぶりにこの本を読んでみた。主人公の直樹が夏休みにおじいちゃんの家に預けられた時の不思議な体験の話だ。
直樹はおじいちゃんの家でしゃべる歩く椅子と出会う。椅子は広島の原爆の日にいなくなったイーダという女の子と、イーダのおじいさんをずっと何十年も探し続けていたのだ。「イナイ、イナイ、ドコニモ イナイ…」椅子はつぶやき続ける。そして直樹の妹をイーダと勘違いしてしまうのだ。
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広島の原爆はパラシュートでゆっくり落ちてくると、広島の上空500メートルのところで炸裂した。その一瞬、ピカッとすさまじい光がほとばしり、ドーンというつんざくような音がしたという。女の人の髪の毛はみんな逆立ち、誰の顔かもわからないほど火ぶくれて、ひどい人は顔の皮がむけてあごにぶら下がっていたそうだ。
手の皮がべろりとむけて、まるで手が四本あるようになっている人もいた。20万人という人がたった一発の爆弾で死んだ。原爆を受けた人はみんな水が欲しいといって息絶え、どこもかしこも遺体だらけで地獄のような光景だったそうだ。奇跡的に助かった人も、何年かたってから放射能の影響で白血病になり、亡くなった人もいるそうだ。
結局、椅子は直樹の妹がイーダでないとわかって落胆のあまり壊れてしまう。戦争中、大事な人を探し続けて見つからなかった人もこの椅子のようにこわれてしまうぐらいつらく悲しかったにちがいない。戦争は大切なものを奪い、みんながつらい思いをする。小さな子どもまで巻きこんで人間同士が殺し合いをするなんて二度とあってはならないと思う。
私たちは戦争を知らない平和な世の中に生きているけれど、戦争を忘れてはならない。平和に感謝して一生懸命生きていかなければならないと思う。
(50代女性)
講談社
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