この本はイタリアとフランスの二重国籍を持ち、自身もタックスヘイブンで育った著者がスイスのプライベートバンクから膨大な数の脱税の記録を盗み、それを各国の当局に提供したノンフィクションです。私が知らないところでこのような熱いドラマが繰り広げられているとは思いませんでした。
著者は様々な組織の者と協力してデータを盗み、当局の追及を交わし、そして別の国に逃げつつITを駆使してそのデータを必要としている人に提供する、というスパイさながらの活躍を見せます。それはもう映画を見ているようで手に汗を握らされ、そしてこのように正義のために自身の人生を賭けて頑張る人がいることを知り、私も熱く理想のために生きたいと思いました。
タックスヘイブンは近年様々なところで目にする言葉ですが、その仕組みを知れるのも面白いです。多くの国々にデータを移すことで一国の当局では中々太刀打ちできません。かと言って多くの国々と協力しようにもそれらの国々の権力者がタックスヘイブンを利用し、さらにはアメリカやイギリスといった大国がタックスヘイブンを持っているのですからその絶望感といったらあまりも巨大です。
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しかし、その国々の中にはタックスヘイブン問題をどうにかしないといけないと感じている人も多いので、世界で協力しあったらタックスヘイブンを閉鎖できると信じたいです。今のグローバルな世界は多少の拡大縮小は繰り返しつつも広い視野で見れば拡大する一方でしょう。
なのでグローバルな問題はグローバルに解決しなくてはいけません。その一助に私はなりたいと思っています。そういえば仮想通貨も最近は非常に話題になっています。どこの国にも保証は受けず、それでいてどこでも買えるインターネットの中にある通貨なのですが、もしかしたらタックスヘイブンが閉鎖されたらこちらに資金が流れ込むかもしれません。
そうなったら一体誰がどうすれば良いのでしょうか。格差がさらに拡大していきそうで怖いのですが、これも技術で何とかしないといけないのでしょう。人類の未来のためにもっと金融と技術について学ぶ時間を作りたいと思った本でした。
(30代男性)
講談社
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