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読書感想文「発達障害の自分の育て方(岩本友規)」

私には「あれもできない」「これもできない」「自分はなんてダメなんだ!」と、自暴自棄になっていた会社員時代がある。人に話しかけることができず、職場にうまく馴染めなかったり、求めらていることが分からず、簡単な書類すらまともに作れない状態であった。
 
辛くなっては仕事を辞め、再就職をしてまた辛くなる、そんな状況が長く続き、健常者ではないかもしれないと疑ったときに、藁にもすがる思いで、手に取ったのが本著である。発達障害は、これまで子どもの問題として、重要視されてきたように思う。
 
しかし、本著では、発達障害である著者自らの経験を交えて、大人の問題として取り組み、問題解決に向かって邁進する様子が描かれる。特に、自分を客観視しながら、障害に向き合い出来上がった[大人の発達障害改善マニュアル]は非常に論理的で、感銘を受けた。
 
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例えば、大人の発達障害が生きづらく感じる点の理由のひとつに、自分と周囲の世界を切り離し辛い体質であることが挙げられる。つまり、精神的に自立することが難しいのだ。これができていないと、周囲の価値観によって、自分の評価が決まり、振り回されたり、余計な落ち込みを抱える羽目になる。
 
かく言う私も、自分の意思ではどうにもならない世界に挫け、社会に背を向け始めていた。それを指摘するわけでもなく、改善を求めるわけでもなく、ただありのままの事実として受け止め、どうしていくのがベストか、行動していく筆者にただ頭が下がるばかりである。
 
会社は仕事をする場所なのだから、我慢しなくてはならない、できないのは自分が悪い、そうやって間違えた方法で何度自分の身を守り、殻に閉じこもってきただろうか。それでも筆者は行動し続けることで、だれにでも才能や強みがある、それを生かすことができると教えてくれる。
 
発達障害は、目には見えないし、社会的に保証されることも少ない。だからこそ、より良く生きる、生きたいと願う気持ちが強い。そして、そのためには、誰よりも天職が必要であるとも思う。今もまだ、私は天職を探している。けれど、それが悪いことだとは思わない。
 
なぜなら私にも強みがあって、それを必要としてくれる存在がいるということに、気付けたから。本著はそれを教えてくれた貴重な一冊である。
 
(20代女性)
 
 
 
 

発達障害の自分の育て方
岩本 友規
主婦の友社
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