女性として生きるということを改めて考えさせられる一冊。初めに、明るいピンクの服を着た黒人の女の子たちの笑顔の写真が目に入った。可愛らしい、明るい印象を感じ、この本を手に取った。
しかしその内容は、自分にはあまりに残酷で、悲しい、ただただ驚かされるものであった。
アジア、アフリカ、南米の開発途上国の女の子たちの、実話に基づく5つのエピソード。「働いていて喉が渇いてきて、知らないおじさんに飲み物を貰ったが、飲んだら気を失い、気がつくと都会の売春宿に連れてこられていた」というような驚愕の話が続く。
気が滅入ってくるような感じであったが全体を通して読むと、「貧しさ・地域の伝統・男尊女卑・知識の無さ・女性としての価値」という事について嫌でも考えさせられた。
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貧しかったら、生活のために働かなければならず、学校に行って教育を受けることが出来ない。
その知識の無さや地域の昔からの伝統で、男尊女卑の考え方が根付いている。稼ぎ手として頼りになるとされる男の子は大切にされるが、女の子は生まれてきてもただ働きづめで、まだ10代半ばくらいで親の決めた結婚をし、体が耐えられないのに出産をさせられる。
こんな生活をしている女の子たちはどんな気持ちで日々を過ごすのだろう。不平等や不満を感じても、貧しいから、自分や家族のためにただ耐えて過ごしているのだろうか。
日本に生まれて、当り前に義務教育を受け育った自分だが、あらためて教育を受けること、正しい知識を得ることは、人間にとってとても大切であると痛感した。色々な教育があるけれど、中でもきちんと教えなければいけないのは、大人になったら勤勉にはたらくこと、一人ひとりの命の尊さ、男女関係なくみな平等であることであろう。
また新たな知識を得ることによって、うまくいかない状況があっても、現状を変えるために何かをすることができる。少女たちの暮らしについて学び、またこの本の編集協力に携わっているNGOの取り組みを知ってそのような希望を持つことが出来た。
自分自身にとっては、衣食住が満たされていても日々色々と思い煩うこともあるけれど、やはり今自分の人権を尊重され、健康的にやりたいことができる生活がありがたいと思った。現状に感謝できる心は、高慢や不和を減らしてくれると思う。
これらの地域の人に対して、直接的にすぐ何かすることは難しいけれど、都度寄付をしたり、積極的にこれらの地域の情報を集めたり、周りの人に本の内容を分かち合ったり、自分の今持っているものを大切にしていくことなどが自分に出来ることかなと思った。
(30代女性)
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