読んでいる間じゅう、そして読み終わってからも、有難い説教だったという印象は変わらない。それどころか、期待していた以上に学ぶことの多い一冊だったと思っている。 では具体的に、僕はこの本を読んで何を感じて何を学んだのかということだが、まず全体を通して一貫して語られている「ものの見方」ということについて感想を述べたいと思う。
僕は、将来的に何かものを書いて生活をしていきたいという淡くて漠然とした夢を抱いているのだが、結局のところ、それを実現させるために一番必要な資質を決定するのは「ものの見方」が分かっているかどうかということに尽きるのだなという風に感じた。
そんなのは誰でも分かっている当たり前のことのように思うかも知れないが、突飛な内容のことや奇を衒った表現ではなく、単純な言葉で、それだからこそ今一度当たり前のことを再確認しようという気にさせてくれるのは、本当に有難いことだと思った。
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次に僕がこの本の中で述べられていることで印象深く感じたのは、書くという行為には身体性や運動性を伴わせよ、という意味のニーチェを引用しての助言の箇所だ。
僕みたいな無名の書き手でも、ものを書く時はどうしても頭だけを使って書いて、それで「書く」という知的な行為に従事したちょっとした満足感や、運動とは一味違った言いようのない疲労感を覚えたりするのだが、何かしら世の中に価値を生み出す、創造という意味での「書く」という行為には奥深いものがあるのだなと、深遠な気持ちになったのだった。
それでは最後に、僕が本書で得た知見をどう日常生活に活かしていくかということについて述べて終わりにしたいと思う。 本というのは、読むこと自体が目的になってしまってはいけない。そう思うようになったのも、この本を読んだおかげなのかもしれない。
目まぐるしく変化していくこの時代の世界情勢や経済状況はどこか遠いところの「お話」のように感じてしまうが、日常の延長線上にあるものとしてひとつひとつのことを当事者意識でしっかりと自分の頭で考えていこうと、僕はそう決めた。
(20代男性)
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