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読書感想文「砂漠の女ディリー(ワリス・ディリー)」

人は自分の思い通りに生きていたいと思う。でも、なかなかそうはいかない。諦めや妥協をしながら生きていく。決められた道を生きるのではなく、自分自身の人生を生きるために進む女性の話である。
 
主人公のワリスはアフリカの遊牧民に生まれ、決して恵まれた環境ではない。生きていくために必死で働くそんな生活だ。私は嫌な事があるとなぜそうなったか原因を考える。自分の何がいけなかったかどうすれば良かったのか。
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自分に非がある訳ではなく、どうにもならない時、仕方がないと諦めず前を向き続けれる人はどれくらいいるだろうか。それが、困難なことであればあるほど難しいことだと思う。ワリスは、女子割礼という日本には馴染みのない女性性器の切除を体験している。
 
生まれた国の慣習でそれが原因で死んでしまう少女もたくさんいるが結婚する時のためにそれを行う。医療設備があるわけでなく、ただナイフや包丁で切り落とされる。ワリスの身に起こるのはそれだけではない。
 
老人と結婚させられそうになる。それだけで、絶望したくなるような環境だか、ワリスはそこから逃げ出し、自分自身の道を開いていく。そこでも全てが上手くいくわけではない。ほとんどのことが上手くいかないが、決して諦めずに前向きに生きスーパーモデルの地位をつかんでいく姿に強い女性としての生き方を感じる。
 
他人にぐちぐち悪口を言われたり嫌味を言われたりして嫌な気分になっているのが小さく感じるぐらい、こう生きていたいと感じた。強いとはなんだろうと考えた時にただ粘り強く生きているだけではなく、自分の体験したことを将来の自分の生まれた国の子ども達に体験させたくないなど他人を思える気持ちではないだろうかと考えられる。
 
日本では結婚も考え方もある程度は自由だ。自由ではない環境でそこで諦めずに生きてきたワリスは読み手に考えさせられるものを与えてくれる。結婚から逃げ出しそこから自分自身の運命を自分の責任で変えていく。そんな生き方に感銘を受ける作品である。
 
(20代女性)
 
 
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