「プライドが高くて迷惑な人」の読書感想文
本書は、「プライドが高くて迷惑な人」をテーマに、そうした人への心構えや対策法を講じている。私自身も職場の人間関係に悩んでいた時にこの本を手に取った。自分が悩まされていた人物も、この本に主として取り上げられている、「プライドが高くて迷惑な人」そのものだったからだ。
私はこの本を読むまで、そもそも「この人の何にそんなに嫌悪感に感じるのか」を言語化することができなかった。嫌悪には感じるが、その人の発言や態度があまりにも子供じみていた為に、うまく形容することができずにいたのである。むしろある種の、小さな子供に覚えるような苛立ちさえ感じていた。
しかし本書を手に取って、初めてどうしてその人がそうした言動を取っていたのかを、理解することができたのである。本書では、一見ただの横柄な人と捉えられがちな「プライドが高くて迷惑な人」を、精神科医療の見地から、専門用語を用いて分かり易く解説していく。
「プライドが高くて迷惑な人」には、他人からちょっとでも注意されると自分の人格を全否定されたかのように過敏に反応したり、他人に対して「自分はこんなにすごいんだ」と誇示をしたりする特徴がある。それで周囲の人を不快に思わせたり、ひどい時には、ビジネスシーンにおいて迷惑行動に出たりすることもある。
本書の中にも、そうした人の起こすトラブルの一例として、会議中に人の話に割って入ったり、最後まで話を聞かなかったりする事例を出しているが、自分の悩みの種であった人も、まさしく同じ行動をとっていた。当時の私はその人のことを「ただの嫌な人」だと思っていたが、この本を読んでからは認識を改めることとなった。
彼は精神科の見地から見ると、人格障害を患っており、不快だと思っていた言動もそのためだったのである。この事実は、私を本当に楽な気持ちにしてくれた。もし、そういった人々を「ただの嫌な人」とこちらが認識しているだけであれば、無駄に我慢をしてしまいがちである。
しかし、精神科患者であれば、専門的な接し方を用いて、こちらがストレスを回避していくことができるからである。後半部では「プライドが高くて迷惑な人」から自分を守る心構えや距離の置き方、接し方がしっかりと書かれており、実際に私も、苦手としていた人と適切な距離を取ることができるようになった。
(30代女性)
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