読み終わって何よりもはじめに、私は主人公たちが幸せに包まれながら物語を終えられたところにきゅんとした。この作品は男の私が読んでもドキドキとしてしまうような作品となっている。主人公の男性は生まれついての強面のせいで女性だけでなく様々な人から嫌煙されていた。
彼はそんな自分にも変わらぬ態度で優しくしてくれるある女性に心を惹かれていく。そんな女性から彼はバレンタインデーにチョコをもらう。それも本命あてだとしか思えないチョコだ。彼はそれに舞い上がり、彼女にアプローチする。しかしそのチョコを彼女が彼に渡したのは事故で、彼女もやはり彼に対して恐怖を抱いていたのだが。
そんなところから始まる物語に最初はハラハラさせられた。しかし、最後には彼の心が持っている本当の優しさを知った彼女は、そんな彼に惹かれていく。この物語は確かにそんな少女漫画的な胸キュン要素のようなものを持っている。実際に私も読了後すぐにはそのような幸せな感覚に包まれた。
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しかし、この作品が本当に伝えたかったことはそれだけではないだろうと私は思った。この作品でははじめ、彼がいわれもないうわさに踊らされる姿がある意味ではコミカルに描かれている。しかし、それは決して笑えるようなものではないのだと思うのだ。
私たちは時に思いもよらないような心無いうわさに痛めつけられる時がある。そのような体験をしたことがある人は少なからずいるだろう。そのようなことは決して強面として生まれた彼だけにある話ではなく、誰にでも起こりうる話であるのだ。そう考えた瞬間に、この話は笑い話ではなく、とても現実的な教訓として私たちの心の中に入ってくるのである。
それが、純粋な教訓としてではなく、恋愛を絡めたある種コミカルな表現の中にあるからこそ、それはより鋭く私たちに意味を語りかけてくるのではないだろうか、と思うのだ。そして、「面白い」と感じられる話の中にあるからこそ、それはわかりやすく、そして嫌味なく語りかけてくることが出来るのではないだろうか。
(20代男性)
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