「階段途中のビッグ・ノイズ」の読書感想文
階段途中のビッグ・ノイズは誰でも経験した頃のなつかしい高校生活を思い出させてくれます。最初に読み進めていくと男子高校生の話でなんか面白くなさそうだなと感じていました。ところが、読み進めていくうちにどんどんとこの世界にのめり込んでいく自分がいました。
高校生の頃、休み時間に友達と廊下にたむろしていたり屋上で昼寝をしていたり、学校の中でどんな女の子が好きかなど友達と語り合ったり誰でもこういう体験があります。舞台はとある高校の軽音楽部です。軽音楽部の上級生が逮捕されてしまいます。
軽音楽部が最大のピンチを迎えるところから物語がスタートします。男子高校生て何処の高校でも音楽に興味を持って休み時間や放課後にバンド組んだりしてギター弾いたりしていた人絶対にいましたよね?この本の良いところは状況を想像しやすいんです。
誰でも経験したようなみたことあるような情景が思い浮かぶんです。だからこそ物語に入りやすいんです。字ばかりの本はちょっと眠くなってしまうというあなたにも読みやすい本です。そして、青春小説に欠かせない恋愛や、友情、くじけたりしながらもみんな徐々に徐々に少しずつ成長していく姿は、感動します。特にこの物語のキーになるのが1人の男性教師です。
それは、加藤という教師です。青春小説というとこういうときに出てくるのが熱血漢の教師なのですが、この加藤先生はむしろ地味なあまり目立たない先生でした。軽音楽部が活動するときに他の教師が顧問への就任を断り続ける中、最後の望みをかけて、軽音楽部顧問への就任を要請したのが加藤先生でした。
そして、加藤先生は軽音楽部顧問への就任を快諾します。この加藤先生の正体とは?この加藤先生が普通の目立たない先生だと思っているのを見事にぶっ壊してくれます。読んでいて爽快感を感じます。この本は一気に読み進めたくなるし読んでいる時も読み終わってからも気持ちが良くなるのが最高ですね。
(30代男性)
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